久々の福万山(フクマンサン)

近頃、山に行く自信がなくなっていた。体力的な面も合ったが、気持ちの面でも向かなかった。忙しいし、時間をとられることがいやだったのかもしれない。運動は欠かせないと思っている。だから時間のかからない自転車でのトレーニングを続けていた。1時間もあれば、わたしとしては、まあまあの運動量になる。

しかし、火曜日の夜、山に行こう!と思った。そのきっかけは二つあると思う。一つは、スタッフのマサ君が最近山に行っているとママから聞いたこと。彼は釣りの専門家、その彼が・・・。しんどいパン屋の労働にもめげず、休日朝早くから起きて、山に行っているとは。こりゃすごい、と思った。パン職人にとって運動は欠かせないもの。それに目覚めたならば、パン職人は続けられる。

もう一つのきっかけは・・・韓流ドラマ。3週前くらいから大阪の知人のFBで知った「私のおじさん」というドラマを観てきた。近頃、全くテレビドラマを見ていない。その知人が推薦するドラマだからきっといいに決まっていると思い鑑賞。昔、長いドラマ「冬のソナタ」を見て以来かな。忙しいと思うと、ついつい長いドラマは見る気になれないが、それにも勝る「欲求」が私の体の内に湧き出でてきてたのだろう。仕事ばかりの日々で、心が涸れかかっているような。ママもドラマは好きなので、二人で休みの夜中1時過ぎくらいまで2本~3本とドラマ漬けだった。一本が1時間10分~30分ある。それが16本。見応えある。

それをこの火曜日の夜中に見終えた!感動した!結構愉快な場面やサスペンス的な要素や家族・兄弟愛、企業の汚い部分、貧しさや格差社会、そして悩みと成長。テーマが多様で、それをうまくまとめ、ストーリィに引き込む。人生で大切なものに気づかせてくれる。韓流と言えば、設定が大胆で、どんでん返し的なラブストーリィみたいなのが多いなあと思っていたが、こんなドラマもあるのだなあ。私の好きな「北の家族」とはテイストが違うけれど、娯楽的要素の中に大切なことをちりばめている。楽しんでみられるな。これを見終えて、翌日は、人間的なことに触れたいと思えた。つまり、山登りをしよう!と思った。

天気良し!福万山は以前の登山コースが大きく変わっている。とりつきが。これまでは青少年スポーツセンターから「ゆむた草原」を経て、登山口だった。そのゆむた草原が巨大メガソラーに変わってしまった。しかし車の道路は整備され、登山口まで車で行ける。ここが道路の最終地点。

車を降りて、メガソーラーの最上部を右に見ながら、登山をスタート。しばらく行くと林の中へ。久々の登山で息が上がる。しかし徐々になれて、心地よくなる。いつもの分岐点で左に折れるのだが、その分岐点がよく分からない。台風で七日、倒木が多い。最初に曲がったところは違っていると気がついた。それで戻って、上に上がるが、分からないままどんどん上へ。やばい!道に迷っている!!どうしようと思った。そのとき「ヤマップ」を思い出した。そのアプリで以前伽藍岳へ行ったとき、先が見えない草藪の中、頂上までたどり着いたことがあった。ヤマップを見ると、登山道を大きく外れ、急登の道を進んでいた。まあ、そんなにややこしい山でないから、そのまま上がれば頂上に行けるだろうし、ヤマップがあるので大丈夫とそのまま進む。しかし、結構きつい。

ヤマップのデーターでは、こんな感じ。赤の登山道を行かず、ただ直進。結果的には正規のルートに出てきた。

久しぶりの頂上で塚原方面を見下ろす。福万山は5回くらい来てるかな。

証拠写真も載せとこう。やっぱ人間的な暮らしをせんとね。ありがとう、「私のおじさん」。

モルダー修理

パン製造の設備にモルダーという機械がある。聞き慣れない名前かもしれないが、この機械は相当重要なポジションにある。役割は生地を伸ばす、丸める。普通、めん棒という太鼓のバチのような丸い棒で生地を伸ばす。パン教室での大事な技術。めん棒を上手に使えるか否かは、パン作りにおいて大事な要素だ。だから、私もパン教室に通っていた頃、どうしたら先生のようにうまく生地を伸ばせるか試行錯誤の連続だった。

パン屋は大量のパンを作る。だから、めん棒で生地を伸ばす場面は思ったほど多くない。それよりもはるかに効率の良いモルダーを使う。めん棒で伸ばす時間の10分の1のスピードで伸ばす。さらに、伸ばした生地を丸めることも出来る。それがすごい。食パンを作ったことがある方は想像できるだろうが、食パンの成形は、まず平たく生地を伸ばし、それを折ってさらに丸める。多分早くできたとしても1~2分はかかりそう。それをモルダーは5~6秒でやってしまう。モルダーがなかったらオニパンは成立しないくらいの大事な機械なのだ。まあ他の機械も大事だけれど。

そのモルダーの調子がず~っと悪かった。だからそれなりに修理をしてきた。が、限界を迎えた。

針金でダイヤルのようなノブを固定しているのは大分以前に修理した跡。しかしその固定部分がぐらつき、生地の厚さの調整がむずかしくなってきた。本来は、裏側からビスで留めているようだ。溶接の技術があれば、固く固定できるのになあ。修理を頼むとすぐにうん万円かかる。それはいやだ~!!だから自分でできるだけ修理する。でもどうしたものか。この休みに挑戦。アーでもないコ~でもないといろいろやってみる。

3時間は粘った。すると、どこがおかしいのかだんだん分かってくる。これがダメならばこーすればいいのかな。みたいな感じで、原始的に針金や金具などをはめ込み徐々に機械がまともに動き出す。

どうだ~!!みたいな感じで、針金技術。やれば出来るものだ、固定された!!うれし~!!超嬉し~!!!

この原始的修理で多分ほぼ半永久的に使えそう。こんなやり方で先日修理した設備にオーブンがある。オーブン扉のバネが折れて、扉が閉まらなくなった。扉は厚い鉄で出来ていて、とても重い。そんな扉が急に開き落ちてくると、顔などに当たれば大変なことになる。その修理を設備屋に聞くとまた高い金額を言ってきた。ついでに言うと、設備屋は「よくこのオーブン持ってますね。もう30年くらい経ってますよ。寿命ですね。」みたいなことを。もう金属疲弊していて、潰れかけとのこと。しかし、そのアドバイスは聞かず、自分で修理。

こんな風に、20キロ以上に耐えるバネを専門店から探し、2カ所に取り付けた。これで、あと10年は持つだろう。

必要は発明の母。まさにこれだ。そう言うと聞こえがいいが、貧乏性というのが一番の原動力かもしれない。

人がいなくなるということ

この二日間の休みは比較的ゆっくりできた。半年近く行ってきた土木作業も一区切りつき、ユンボの操作も一応終了。オニパンの駐車場の整備も一応終了(まだでこぼこだが)。頼まれていた隣人の畑の耕作をトラクターでチャチャッとやって(本当にトラクターを使うと早い!)ついでに少し伸びていた小麦畑の雑草もトラクターで耕した。

ふと目をやると、お隣のじいさんの畑も雑草が広がっている。

これもまたトラクターで耕さないとな。つい一ヶ月ほど前に耕したのに。雑草が伸びるのは早い。そして、なぜか気になったハウスの中に入ってみる。

戸口が開いていて、ハウスの所々が破れている。そのためか、ハウスの中は酷い状況になっていた。

ツルっぽい草が前面に繁茂し・・・じいさんの大切にしていた播種機などは草の中で外観も見えなくなっている。コンバインも草に絡まれている。草を取ってみると

鉄のチェーンなど錆び付いている。このままでは動かなくなる。雨がテント内に入り込み、暑い環境でジャングルのようになっていたのだ。

じいさんはこまめに機械の整備をし、雑草などもはやらせないようにあちこちに手を入れていた。以前のInfoにも書いたが、整った茶畑や雑草のないまっすぐ伸びる畝、その光景が当たり前になっていたので、じいさんがいなくなって見間違うほどに変わり果ててくる様相に驚き、逆にじいさんのそれまでのこまめな仕事のすごさに気づいた。人がいなくなるとわずかの時間で変わり果てる。

所狭しと広がる雑草をひきぬく。あまりの量に圧倒される。何か悔しくて、むなしくて・・・。人がいなくなるということ、それは必ず起きることで、今あることは永遠ではない。それは近い将来我が身にも起きること。

別府の実家に行った。今はオヤジもいない。94歳のオヤジは入院中。そしてその後は老人ホーム。実家のマンションは空虚に時間がすぎている。人気のない部屋は空気が違う。30年近くの賑やかな時と思い出が嘘のような静けさ。

線路シタの夜市 決行!

非常に強い台風14号が目前に迫る中、17日(土)「線路シタの夜市」が決行された。雨に降られることもなく、嵐の前の静けさ的な夜市だった。想像以上のお客様に、駅市場のメンバーも「何十年ぶりかしら」と口ずさむ。

人だらけ!

何せ、出店の数が30以上。そして驚いたのは、お店の力。イベント力というより、その店の力で人を集めている。そういう集客力のある有名店がたくさん集まったので、この夜市が大盛況になったのだと感じた。

こういう看板を待つスタッフ。どう並んでいいのか分からないほどに人が連なる。「ヒナタキッチン」のすごさ!!ここだけではない、スコーンのお店も同様。人気カレー店などもそうだろう。オニパンの前にこそっとお店を開いていた「ヒビノ」さんもそう。目立った看板一つなくても、行列が並ぶ。すごいなあ。我がオニパンは、最初の30分くらいお客様もちらほらだった。そして

こんな風にイベント用パンを4種類用意。メインは、その場で温めて食べるガーリックベーコン。きっと、喜んでくれるだろうなあ、人がいっぱい集まって、大変だろうなあと想像し、オーブントースターを3台準備した。ブレーカーが落ちては困ると発電機も用意した。

ぼちぼちお客さまも来てくれ、販売もすすむ。しかし、予想に反し、オーブントースターは3台も必要なかった。かろうじて発電機も少しだけ使ったが(笑)。重かったのに。

5時開店(イベントスタート)で終了したのが9時前だっただろうか。ヒビノさんなんか30分くらいで完売。持ってきてたパンも少なかったわけだが。うちは、3~4倍くらいあっただろうけど。お客さまにとって、イベントにとっては遅くまで営業してるお店がないとつまんないしね。貢献できた!

完売!!!よかったあ~!!!

いやあ、夜市は良かった!駅市場にとって本当に良かった!!お店仲間で一緒に取り組むことで連帯感も深まった。個人的にいえば、他店の集客力や商品の工夫等いろいろと学ばせてもらった。オニパンも真摯に美味しいパンの追求に邁進するぞ!

今後ともよろしくお願いします。謙虚な気持ちになれました。ありがとう夜市。瑛人さんのライブは仲間が発信してくれてそれを視聴。ギター一本で盛り上がってましたね。ありがとう瑛人さん!!

結局、日・月・火・水の4連続休業。大変ご迷惑をおかけ致しました。しっかり休養がとれました。今日から営業です。美味しいパン作ってお待ちしております。

思い切って購入! ハンマーナイフモア

農業を続けていくかどうか・・・。今年も6年期限の認定農業者に登録。6年前に登録した期限が切れたからだ。毎年小麦を作ってきた。この小麦が作れるようになったのは、市からの援助金のおかげでもある。鹿対策の防護柵を300メートル張り巡らせた。その費用の半分を援助してくれた。その後援助してもらうこともなかったが、今後必要になることもあるだろうと、登録申請を行った。とりあえずまだ6年は農業を頑張ろうと。しかしだ、農業を続けていくためには農機具が必要となる。うちのような少量の小麦栽培のために多額の資金を費やすのはまるで計算が合わない。ただ、夢の実現みたいなところで踏ん張っている感あり。今年のように頑張ってなんとか収穫できた小麦も、今ひとつの出来だと、あ~なんてことだと疲れが出る。

人生いろいろだ。追い求めてきたことが変化し、昔からすれば考えられないような現在に至っている。しかしこの変化した現在の姿も過去からつながっていて順当な「現実」なのかもしれない。今の課題をしっかり追求することによって「小麦栽培」となり、農業への道へと進んできたわけだから。

まあこれも、体力や気力が続く間だけで、当然老いが活動を停止させる。今の私も体力の限界を感じつつ、どうしようか迷いながらの活動を続けている。しかしあと6年。続けるために決断した。(長いイントロ笑)

ハンマーナイフモア。自走草刈り機。強力な草刈り機。赤いカバーの中には頑丈なナイフが36本。それが回転し、丈の高い草でもみじんに粉砕。細い笹などでも粉砕することが出来る。

試しにハッピーファームの入り口付近を刈ってみた。

30分で劇的変化。刈払機でやれば、すでに腰が痛くなる状況。農業で辛いのはこんな環境整備だ。雑草との闘いが大変なのだ。除草剤を撒けば簡単なことだろうが。

しかし、機械を使うとなるとそれなりにメンテナンスやトラブルが相伴うことになる。

雑草の元にいろんな物が落ちている。例えばネット。昨日は2回ほど絡まり、取り出すのに1時間近くの時間が。暑い日差しにやられそうになった。けれど、そんな作業を通じて機械と友達になる。トラクターやユンボでもそうだ。機械に詳しくなるし、愛着が出る。先日もユンボのメンテでグリスを注入したが、仕方が分からなくて今まで放置していた。すると機械がギーギーと悲鳴を上げ、心配に。もうダメだなと観念して(笑)、YouTubeでお勉強。グリスアップ。ニップル(乳首)にグリスガンで注入すると、見事に古いグリスが隙間より排出。するとどうだ、機械の悲鳴が一発でやんだ。こんな風にしてお世話してあげると機械は友達になってくれる。犬や猫も同じだな。お世話することで信頼関係や感情がつながるもんな。

そして、火曜日はお馴染み土木工事。マサ君が頑張ってくれた。私は4回目のコロナワクチン。打って効果があるのかどうかわかんないが。

考えられないような変化。以前からすれば劇的。機械の力は本当にすごい。