曇り 一週間の終わりです(オニパン的に)。今週もいろいろと変化・前進がありましたね。食パンは、国産小麦の配合割合を変え、粉のミキシング時間を変えました。現在3種類の国産小麦を使っていますが、旨みの濃いミナミノカオリを増やしました。ミキシング時間を延ばすことで、よりもっちりとした繊細な生地となりました。合わせて、おなじみの食パン(カナダ産セノーテ使用)を復活。名前を「オニ食」として、再デビュー。「ORIGINAL2008~」のシールも張っています。

DSCN4734[1]書けばきりがないほどに、毎日少しずつ工夫をしています。これが、リテイルベーカリーの強みなのです。大手は、決まった生産工程で同じものを大量生産します。我々のような小さなお店は、すべて手作りなので、今日よりも明日っていうふうに、より良いものを作ることができますし、それがあるから、日々の労働に耐えることもできるのです。例えば、今日のこのクロワッサンです。川野さんが作りましたが、少しの工夫で、以前のものより中央部の生地が盛り上がり、サクッと感がより強まります。おいしいそ~!!ナッツレーズンは、甘いのがお好きな方のために(別府店のお客様で「糖蜜をもっとかけて~」というファンがいます)糖蜜をかけたものと、白い粉をかけただけの素朴タイプ両者をつくっています。ナッツレーズンの生地は、小麦を国産に切り替えた時、ミキシング時間が少なく、グルテンを引き出さないまま焼いていて、柔らかく引きのある生地が出来ていなかったので、これも現在は長くミキサーを回し、柔らかく引きのある生地に修正しました。パン屋の仕事は、毎日の商品の出来具合を詳しく調べ(そこで、試食が大切に)、どうすれば改善できるかを検討する作業が必要になります。お客さんの意見は様々ですが、ほぼあたっています。しかし、一番大切なことは、お店の作り手がどれほど商品に愛着を持ち(自分の子どものように)どう育てるかということ、それは、子どもの親として広い識見と具体的な手立てが不可欠となります。オニパンは、誠実にその作業をやっています。作りっぱなしみたいなことはしないし、そんなこと、親として絶対できません。一緒にパンを作ってみませんか。こんなめんどくさいことをやっているのか~と思うはずです。清家さん川野さん(オニパンスタッフ)に尋ねてみてください。同じことを言うはずです。

曇り 雨だった予報は、晴れ(か曇り)へ 待ってますよ。いらっしゃいませ。 さて、昨夜は近くの「ゆふらぎ村」の「野乃花」(ののか)に出かけました。6時半より弦楽四重奏のコンサートに誘われていたからです。野乃花(宿と料理のお店)では、毎年この時期にライブコンサーを開催しています。

KIMG0953[1] 若いころに、弦楽四重奏を鑑賞したことがある。一時期クラシックの演奏会に通ったことがあった。歌謡曲から始まり、ロック、フォーク、労働歌・うたごえ、クラシック、ジャズ、ブルース、松田聖子と趣味が変遷。20代後半から30代はクラシックがメインだった。久しぶりの生演奏はアルゼンチンタンゴの巨匠アストル・ピアソラという作曲家の曲を中心に演奏していた。多分疲れから「眠りタイム」になるだろうと、予想していたが、眠るどころではなかった。素敵だった。会場が木に囲われたログの空間であり、こんな間近で、鮮明な音で演奏者の表情も含め手に取るように聴けたからか・・・感動している自分に気づいた。そのうち、目の当たりが熱くなり、涙がこぼれだした。音楽で泣いたのは久しぶりだ。4人が無垢に集中し、共鳴し、奏でるアンサンブル。純粋な姿勢とハートに感動したのだろう。4人の芸術家に感謝します。素敵な夜でした。

晴れ 梅雨らしからぬ爽やかな朝 発酵も成形もいい感じです。この間の苦労も、しっかり身につけて、バージョンアップか。クロワッサンがとてもおいしそうです。

DSCN4733[1]きれいな層、ボリューム感もしっかり出て、焼き色もOK.清家さんのデニッシュ技術もなかなかですが、これは何と言っても、生地づくりの成功がもたらす果実です。別府店に来られるお客様でHさんという方がいらっしゃいます。この方はフランスにも詳しいお方です。オニパンのクロワッサンは、フランスで食べたものと同じだ。とお褒めの言葉。まあ、話半分で聞いていますが、今日のこのクロワッサンは、相当いい出来だと思います。毎日の工夫と試食の結果、この間のオニパンの成長は確実。スタッフ(清家さん、川野さん)もママも充実感ありです。その中身は、粉への理解とミキシング・吸水量の調整。9年やってきて、今まで見えてなかったものが、この間の取り組みで(国産小麦や新メニューの開発)見えてきたようです。まあ、ちょっと、一安心。クロワッサン、お試しを。

晴れ 心地よいさわやかな朝です。しかし、心の中は、ちょっと湿りがち。こんなにきれいな小麦たち。

KIMG0944[1] 雨で、苦しめられているのです。声なき声。何ともなりません。

なるようにしかならない現実の中で、最良の選択を考える。あきらめと妥協、決してくたばっているわけじゃない。どっこい生きている。こんな精神で今日もがんばりましょう。