柚子パンを世に問う

ママと清家さんの「柚子とクリームチーズは合うよねえ」から始まった柚子パンの製造。私も、これはもしかしたら、相当いける!と思った。しかし、反応は厳しかった。「もの足らん」「ちょっと問題ありやない」・・・。クレームは内部から。スタッフの二人が意見する。

う~ん、確かにそうかも。それで、昨日は成形の方法を変えた。中身のボリュームを1.5倍に。きっと美味しいと思う。本日は成形の写真を撮った。それを公開したい。

先ず生地を広げる。20センチ×40センチ

18グラムの柚子コンポートを細かく刻む。

クリームチーズ(14グラム)を20センチの棒状に。

広げた生地に発酵バターとハチミツを混ぜたものを塗る。

3本のクリチを置く。

4等分にする。

等分された生地に柚子を置く。

巻いたものを計る。一個80グラムを基本に。

少なかったものには生地を継ぎ足しておおよそ80グラムに。

出来たものを上から押さえてぺっしゃんこにする。

こんな成形だと中身が均等になる。ただしめんどくさい。時間がかかる。

1時間半ホイロで温め、塗り玉をし、イタリアの天日塩を少し振りかけ、200度で12~3分焼く。

これで、うまいはず!?

感想をください、食べた方。私はまだこれを食べていませんが、美味しいはず。お値段は265円とさせていただきます。

山に呼ばれて

11月からのハードワーキング(従業員さん不足)で、体に無理がいっている。足腰の不調をなんとかせにゃ、と、ジムでの調整もしてみたがうまくいかず。大仏温泉さん(同級生)の紹介で行った整骨院が3時間施術。この休みで3回目。これが、功を奏して、改善。かなり良くなった。そして一昨日。

特に用事も入っていない。寒いので、自転車はやめとこう。指が痛くなる。私の指はちょっとした失敗で、右手人差し指の第一関節から先がなくなった。それが極寒の時、痛くて痛くて。だから・・・どうしようか・・・。少しだけ山の方へ散歩してみようか。

ふと立石山の方へ。腰の辺りはまだ少し痛くて、山登りは無理だ。でも、登山道の入口辺りまで行けたらなあ~。結構な運動になるよなあ~。でも行けるかなあ~。

行けましたよ!久々に眺める下界の塚原。きれいだ!途中、しんどくなって、立ち止まっては登りの繰り返し。ここで寝っ転がる。

寒いのに、体は熱い。空がきれいだ~!少し寝っ転がっていると、元気が出てきた。もうちょっと行ってみようか。懐かしい立石山の急登を少し味わってみようか。この山を登れたら嬉しいなあ~。

そう思って、違和感のある腰をかばいながら、登る。しんどい。でも登る。このコースはよくわかっている。二つの急登があり、そこを抜けると、パッと視界が開ける。そこからは尾根道となる。

お~、なんと、一つ目の急登を登り切った。まだ行けそうだ。休み休み頑張る。すると・・・

出た~!!抜けたあ~!!!視界が開ける。

由布岳が隣に見える。体はきついが、心は弾む。あと少し、あと少し。

すごい、1058メートル。下から400メートル上がってきた。誰かがつけた新しいサイン。「山に感謝」と書いてある。ほんとうにそうだなあ。立石山が私を呼んでくれた。腰の痛みは消えている。

そして2日後の今朝・今。腰は軽い。30年以上になる山との付き合い。山がいつも私を励まし、助けてくれた。パン屋にとっての足腰はとても重要。一つの方向性が出てきたなあ。よし!!

おすすめです! イナトカ

お芋とクリームチーズがとても相性が良い!のは、知る人ぞ知る案件。イナトカはさらにグレードアップしています。芋は芋でもスィートポテト!だからもっと美味しい!クリチはオランダの「ブコ」という上物です。そのい二つを使ってどのように成形しているか、公開いたします。企業秘密なしのオニパンです。パン好きな方、ご参考に。

先ずは出来上がりの図。どうやって作っているかというと・・・

生地の半分を編みローラーで切る。少し横に広げて、生地の編み目がひっつかないようにする。クリチを生地の端に乗せ、クルクルと半分近くまで巻く。

巻いたら、上にポテトが乗って安定するように台を作る。

台の上にスイートポテトを乗せる。

そして巻く。

とてもシンプルな成形です。しかしこれにたどり着くまで、かなり考えました。

現在は生地の端までポテトが来るようにしています。量が増えています。生地はフランスパンの生地にバターを加えて、さらにミキシングをかけてなめらかにしています。これも大事な要素です。

このイナトカはとても好評です。すでにファンが続々と生まれリピータも!デビューして一週間くらいなのに。

是非お試しを。すぐに売れてしまいますが。

新メニュー イナトカ登場!

今回4回目のトライアルで新商品完成です。味も食感もグ~!!多くの方に気に入っていただけると思います。フィリングの相性、マッチングも大事なところですが、一番気になるところはフィリングと生地との相性だと思います。芋とチーズが合うのは万人が認めるところ。しかしそれと生地との相性がむずかしいところです。オニパンにとって初めての試みであるフランス生地からのバリエーション。その食感を味わってくださいね。

お値段は265円とさせていただきます。

新年、今年こそ!

ありきたりの、恒例の言葉を使いにくくなってきた昨今です。「新年おめでとう」はやめにして、「新しい年を幸せな年へ!」との思いを込めて。

 本当に過ぎゆく一年の速さに驚きます。しかしその中にも様々な出来事があり、ただ同じ時間の経過とは言えません。年とともに深まりゆく中身。それは、人としてもパン屋としても。

 ある程度片付けたオニパン畑にあるビニールハウス。折々帳に度々登場してきた園田の爺さんが使っていたものだ。爺さんが亡くなって3年。手の入れないビニールハウス内は毎年ジャングルのように雑草やツタなどで覆われる。そのたびに私はきれいにする。なんとなく恩返しのような気持ちで。

 今年は正月元旦に中村君の手伝いもあり、きれいにすることが出来た。作業をしながら、爺さんはなぜトラクターやコンバインを用意し、ビニールハウスを建てたのかと考えた。もちろん自分の楽しみもあろうが、私が小麦を作り始めたから、手伝ってやろうと思ったのではないか。実際そうだった。小麦の収穫、種を蒔くための播種機、耕運機など援助してくれた。それがなかったら、小麦を作ることは出来なかった。サツマイモの苗にしてもそうだ。たくさんの苗を黙って店先に置いてくれていた。そのこともあり、私は毎年芋を植えるようになった。

 この一月で私も71歳。あと10年パン屋をやれれば・・・。朝からの労働で体が痛い。足がツル。腰もダメ。ゆっくりしたいなあ。そう思う反面、できる限り長くやりたいなあとも思う。教員を30年やった。出来ればパン屋を30年。さすれば、自分の人生の中で胸を張ってパン屋の人生と言えそうだし。それくらい、パン屋の仕事に魅力と価値を感じている。教員とは違う、人への影響力を。

 美味しいパンを作るためにできることって本当に多岐にわたる。それを追求することは実に楽しく充実を感じる。決してパン生地の発酵だけでなく、フィリングなどの研究もある。パンを作るための原材料の探求もあるし・・・切りがないほど次から次へと広がって行く。例えば設備的なことでも

 これは上面がパンを成形などするための麺台。その下は部屋になっていて暖かくすることの出来る発酵室。中にこたつヒーターを入れていた。その調子が悪くなり近頃使えてなかった。しかしこの冬休みにこたつヒーターとサーモスタットを購入。以前よりも正確な温度管理が出来るようになった。

 これは、32度設定で現在の室温31.7度となっている。室温が上がれば電源が切れ、下がればヒーターが着く。中学生程度の思考力で出来ることだが、これによって、美味しいパンのための発酵管理が前進する。今日これを作ったのだが、ホント嬉し楽しだ。

 こうして焼いたパンをお客様はいろいろと評価してくださる。良いことばかりではなく、率直な感想も。こんな交流が実は人を倖せに、暮らしを楽しくさせている。オニパンのことでお客様は脳みその大切な活動と時間に使う。その人の人生の中でささやかでもオニパンが存在している。

 平和を作るということは、パン屋で言えば、美味しいパンを作り、それを食べてうっとりほっこり倖せを感じることなのでは。それは、作り手の努力と人への思い、それが伝わり、人とつながり、受け手はその努力を認め、その値打ちを受け入れ、共感して、そんな生き方をしてみたくなるような・・・。日常の倖せが豊かであればあるほど、それを脅かす貧困や暴力、差別、戦争を認めない方向へ・・・そう簡単ではないが。

 さて、何が一番書きたかったのか。それは、爺さんの人への思い。その思いは私に伝わり、私を変えつつある。人が変わると言うことは、人への思いがあるところにしか生じないということ。あと10年ちょいのパン屋人生を私だけで終わらせずに、人を変えていけるような熱い思いで頑張っていきたい。

平和で、一人一人が大切にされる世界、そしてほっこり笑顔が浮かぶそんな年に。「新年、今年こそ!」