開店2周年

6月28日、開店2周年を迎えました。本当に時の過ぎるのは早いと実感します。この2年間で得たもの、経験したことは、サラリーマン時代とは異質なものが多かったと感じます。全て結果が自分の考え判断に因る面。ちょっと大げさな書き方ですが、お店は創意工夫次第で前進していくものだと実感しています。本当は、どんなお仕事でも一緒なんでしょうが、結果について誰も責任をとってくれない、自分に全てがかかって来る(当たり前なんですが)あたり、厳しさが常に付きまといます。そういう面ではサラリーマン時代は、気楽にやっていたなと感じます。どんな仕事をしていても、結構なお給料がもらえたし・・・。しかし、一方でワーキングプアのような厳しい現実もあるのですが。
開店して半年ぐらいお客様もあまり来ず、パン製造の腕前ももう一つで、将来に暗い影を感じながら、ただ黙々と朝早く(朝といっても夜中2時ごろ)からパン作りをしていました。今の自分にできることは…色々考えながら試行錯誤の日々。「オニパン注文シート」をつくって、注文を集めようとか、宅配をして、パンを届けようとか、通信販売をしようとか・・・。
素人っぽい、私やママのなりふり構わない様子に同情してか、色々な方がパンの販売に協力してくれるようになりました。由布院駅で働いている方が、その職員方に働き掛けて、毎週パンの注文をしてくれたり、毎週のように別府の方が大量の注文をしてくれ、友人に送ったり(多分自分の自費で)してくれました。パン屋が終了してから、夜、湯布院や別府市までパンを届けに行くわけで、大変ハードな状況ではありましたが、私たちのために身や心を割いてくれる心遣いにどれほど感謝したことか。また。ある時は大量に売れ残ったパンをどうしようかと、ある方に相談すると、湯布院の亀の井別荘を紹介してくださり、その方と一緒に販売に行ったこともあります。こういう援助がたくさんありました。
基本はおいしいパンをつくることで、お店の運営を軌道に乗せることではありますが、お店にはそれ以外の人としてのつながりや心を潤す要素が大切だと身にしみて感じます。
人として生きる様々なシーンで、その人生にささやかな喜びや思い出を添える、そんな役割を演ずるのも、お店の大切な要素では。助けていただいた経験や、リピーターとして来ていただけるお客様との交流から、お店にとっての人間的なつながりの大切さを思ってしまいます。
1周年を過ぎたあたりより、パン作りも安定してきました。今でも失敗はしますが、窯のタイマーを押さなかったりして焦がしたり(これは年と共に多くなっていくのかなあ)、中古の機械の調子が悪くて、生地を傷めたりが大半で、発酵の見極めなどは随分しっかりしてきたと自負しています。一応ましなパン作りができるようになると、逆に今まで平気で出してきたパンにも、クオリティが気になり、余計に神経質になって来ます。よくもあんなパンをお店にだしていたなあと・・・。開店3周年は一年後です。3周年には、もっともっと、美味しいパンが作れるように、そして今の気持ちを失わず、お客様に接していけるように努力していきたいと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。

これは、開店して8カ月後、沖縄に旅行に行った際に購入した泡盛です。泡盛のお店で仕込んでいただいた「日浦家の酒」。開栓日も明記されています。

3周年の6月28日です。
石の上にも3年。私の目標は3年間はなにがあってもがんばる、です。周囲の反対や、助言を振り切り、開店したいきさつ上、へたばっては格好がつかないというのもあって・・・。3周年が無事迎えられ、このお祝いの酒が飲めることを願って、日々頑張ります。

酵母生活2

この折々帳で、今一番書きたいことは、オニパン酵母のことです。しかし、はかばかしい成果を上げられず、月日が流れてきました。今、パン屋として私の意識の中で一番重要な位置を占めているのは、酵母のこと。何度も実験を繰り返しながら、酵母の違いで、味、香り、焼き色、生地の食感、口どけ感などが全く変わって来ます。特に食パンなどのお食事パンは、ご飯同様何も入っていないから、その違いが良く分かるのです。
おいしいお米は、それだけを食べてても、十分満足がいくものです。食パンでこそ、パンは勝負するものと以前より思ってきました。
今、オニパン酵母は、第2段階を模索中です。第一段階はクリアしたと思い、商品としてカウンターに並べています。お客様からは、「普通においしいよ」と言っていただけていますし、私としてもおいしいと思うので、出しています。しかし、このオニパン酵母で、食パンは焼きません。今日の朝食は、オニパン酵母の食パンとあこ酵母の食パンを食べ比べました。香り、味、食感どれをとっても、あこ酵母にはかないませんでした。
酵母以外全て同じ条件で食パンをつくります。オニパン酵母も、それなりに、発酵力、味等良くなっています。しかし、繊細な部分では大きく違います。
私はこれまで、パン生地の味を良くする力は、酵母の活動によって、小麦粉のでんぷんやたんぱく質が分解・消化されアルコール発酵される中で生み出されるうまみ成分が中心をなすものだと思ってきました。パンの解説書には、たいがいそう書かれています。そして、それはパン業界の常識として通っています。
しかし、それだけではないと、最近は考えています。パン生地を仕込む際に、あこ酵母のなま種を毎日味見しています。うまい!のです。それは、少し甘酒に似たような、少し酸味があり、シュパっと舌を刺激する味覚。コップに入れて、ちびちび飲みたくなってくるような・・・・。これは、この2年間毎日舐めているので、アル中のような状態になっているのかもしれません。毎日舐める中で、飽きずに、ますますおいしいと感じられるようになってきました。そんな成分があこ酵母の中に含まれているのです。

私は、今、一つの仮説にたどり着いています。

あこ酵母によって、つくられるパンのうまみは、麹の力だということ。
イーストそのものには、全く旨いと感じられるような味はありません。むしろ、イースト臭が鼻をつきます。イーストは、パン生地の発酵過程の中でつくられるうまみ成分にその味と香りを頼っていると言えます。
日本は、古来より、他の国にはない独自の発酵文化を持っています。発酵食品の宝庫とも言える食文化。その中でも、お味噌、醤油、酒などは、麹によって作り出されています。日本人は、このような発酵食品を体に取り入れ、体を作り上げてきた歴史を持ち、麹を使った食品を体が受け入れる要素が多分に大きいのでは。

ちょっと、むずかしいお話になりました。しかし、だれもこんなお話を聞いてくれませんので、ネット上で、興味のある方にお話をしています。さらにこの話は続きます。

中華料理でパーティー

オニパンでバイトしている李(り)君とオータンに、中華料理パーティーに招待されました。APUの学生(中国人)5人で一つのマンションの部屋をルームシェアして、共同生活しているとのこと。私とママとタックン(タイ人)の3人が招待され、計8人でパーティになりました。李君は2年生20歳。「私は料理が得意です。家にご招待します。」と切り出され、(ウ~ん、どんな料理を出されるのか)と少々戸惑いながら、の参加でした。彼は、3時頃から一人で黙々とつくっていたそうです。5人の中国学生の内訳は、二人が男性、3人は女性。李君一人が料理をつくり、他のメンバーはつくらないそうです。少し手伝ったそうですが。その料理は・・・・想像していたものとは違い・・・・驚きの代物でした。

サラダと赤飯はママが持参したものですが、あとは李君が一人でつくったもの。
食べると・・・・何という旨さ!私が以前台湾で食べた中華料理と比べ、李君の方がグンと旨い。お世辞ではないのです。
中国の女子学生は見て、食べるのがお仕事のようで…ほんと李君は大したものです。
話題は食べ物から、日本での生活や中国の生活、タイの暮らしなど盛り上がり、若者との交流でずいぶん若返りました。

オニパンのスタッフで記念写真をパチリ。
右が李君。その隣がオータン。左端がタックン。
今オニパンは若者に支えられてやりくりしています。

APU(アジア太平洋大学)チャイニーズウィーク 

オニパンには、現在4名のバイト生が来ている。中国人とタイ人。中国の学生さんから今週は、チャイニーズウィークと言って、中国の文化行事がある週だと聞いた。最近は、オニパンも国際的になっていて、中国やタイのお話がめっきり多くなっている。ママは中国の料理が食べたいと、私を誘うので、行くことにした。

APUの構内の街灯には、中国らしい、ぼんぼりのようなものが飾られている。

大きな掲示版には、6月11日18時30分より、グランドショーがあると書かれていた。
さて、目当ての中華料理。学生会館のようなところに入ってみると、中華料理のコーナーがああった。しかし、思っていたようなものではなく、種類も少ない。チャイニーズウィークだからと言って、普段と違う特別料理を用意していたわけではなかった。うう、残念。気を取り直して、料理を注文。

ちょっと塩からい味付け。
ウう、残念。
6月11日の発表に行くことにしている。高(コウ)君が、空中ゴマを披露するとのこと。これに期待するとしよう。

左が高君です。

拾いもん2

お待たせしました。あの拾いもんが、何とか置物に変身です。
「拾いもん」のお話をを読んだ方が、「あれ、どうなった?」と聞いてきます。もう、すでに、置物になっていたのですが、ちょっと公開するのには後悔する代物になったので、気後れしていました。しかし、今回の日記でお披露目します。

どうでしょうか。立派でしょう。これを見たお客様が「この角は、すごい!なかなかこれは手に入らないよ。」と、おっしゃっていただきました。
下の台は、うちの庭に転がっていた木を削ってつくりました。ただ、後悔するのは、その木に塗ったオイルステイン。ホームセンターで、「五割引」の赤札が張ってあったので、思わず飛びついて購入しました。塗って見て、なるほど、売れ残っていた意味がわかりました。ママは、肉の塊みたいで、気持ち悪いと、軽く言ってくれます。こちらの方は、重い気持ちになります。
取りあえず、せっかくですから、玄関にかざりました。