塚原高原にメガソーラーは似合いません!

塚原高原に恋をして早20年が過ぎようとしている。
そして、実際に暮らし始めて6年近く。塚原への思いは相変わらずで、お墓の場所まで考えている始末。
塚原の美しさは、本来の持つ自然の景観とそこに住む人々が絶えず守り営んできた農業や牧畜による里山的美しさが絡み合い一体となったものだろう。
「日本で最も美しい村」に全国49番目に認定。大分県では唯一の地域。

別府や安心院方面の500号線(アフリカンサファリの前の道路)から616号線に入り、なだらかな丘陵の一本道は塚原高原への正面玄関へと続く。炭熊、リック乗馬クラブ前にたどり着くとき、視界が、突如オペラ劇場の広く大きな緞帳をサーッと開くときのように、広がっていく。
私は、初めて塚原に訪れたとき、その圧倒的な景観に胸がキューンと絞られ、背筋にビリッと電気が走った。

きれいだなあ!
何度も自分につぶやいた。

それから、毎年塚原にやってきた。
やってくるだけでは飽き足らず、土地を買い、そこでキャンプをした。
キャンプでは飽き足らず、小さなログハウスを建てた。

そして、終の住家を建てた。

本来動物である人間は、自然の中で生き生きとする。自然が持つ力は、人を人間らしくすると思う。理屈ではなく、私の体験としてそう思う。


この道はオニパンカフェの前の道だ。私のお店の前だけ畑になっているが、それ以外は両側にこんもりヒノキやクヌギなどの並木道となっている。
この並木道は「緑のトンネル」といわれるぐらい、夏には木陰をつくり、歩くとひんやりとした風が流れている。約500メートルも続くすてきな道だ。


上の写真右側に、わずかに見える民家が下の写真にある民家だ。この民家の周りにも豊かな木々が取り囲んでいる。この写真は、オニパンカフェの前にある畑の向かい側から撮った写真だ。

これら緑の木々を切り倒し、民家部分だけを残して、メガソーラーを建設すると2週間前突然会社の方がオニパンに告げに来た。
規模は2万平方メートル、1,5メガ。
民家は借家として4月より震災で避難されてきた方が住んでいる。住めないほどの古屋だったので、大金をつぎ込んでリフォームした。家を借りるとき、地主さんは「裏にソーラーができる」とは告げていたとか。しかし、そんな巨大なものができるとは知らなかったので、リフォームして暮らすことにしたそうだ。

近くの方々に知らせると、その翌日に30人ほどがオニパンに集まった。
そして、市長さんとデンケンという会社に話に行くことになった。

そんな行動を通じて、さまざまなことがわかってきた。今全国でメガソーラーの建設が進んでいる。国の電力固定買取制度が追い風となり、安定した収益が保障されるという。
塚原には九電の高圧送電線が通り、しかも広くて安い土地(遊休地)がたくさんある。ネットで「どなたかこの土地をメガソーラーに使いませんか」などと募集するほど。
市の幹部に尋ねると「4月より毎日1件は、メガソーラーの問い合わせが来ている」とのこと。
メガソーラー参入業者にとっては、塚原高原はとってもおいしい場所なのだ。

メガソーラー建設に関わって、さまざまな害悪がネット上では取りざたされている。
パネルの持つ毒性、光の害、電磁波の害等々。
黒い巨大なパネルが広がることでその熱によって、近隣で2度ほど気温が上がるとか。

この場所は動物たちにとっても、貴重な生活場だ。
一週間前も、ウズラの子ども3羽が溝から出られなくて、困っていた。近くでは、親が2羽心配して鳴いている。私が子どもに近づくと、親は自分の危険も忘れて、ピーピーと私に向かって鳴く。私は感動した。子どもを帽子ですくいあげ、親の方へ逃がしてあげた。

個人のエゴかもしれないが、私は緑のトンネルがなくなることを思うとつらい。
こんな居住地の隣に建てなくてもよいと思う。私のお店のある分譲地のオーナーにとっても
迷惑な話だ。分譲地の値打ちが半減すると思う(建設地は道を隔てて5メートル)。ちなみに私のお店から建設地まで25メートルくらい。

塚原では、すでにリックスプリングバレーの乗馬クラブ前の広大な斜面にメガソーラーの建設が予定されている。これにも大きな反対の運動が起きている。塚原高原の正面玄関の最も美しい場所に。

塚原高原は、塚原に住む人だけのものではないと思う。お店に来られるお客様は、口々に塚原の美しさや自然の豊かさを言う。きっと私と同じ思いで塚原に来られるのだと思う。

もし塚原に来られたら、改めて塚原の自然、景観を見つめなおしてください。
そしてできれば、「塚原高原にメガソーラーは似合わない!」の署名にご協力をお願いします。
そしてこのことを、知り合いにも知らせてください。