多くの偶然、暖かなサポート、そして見果てぬ夢か。いろんな要素がうまくミキシングされて、パン小麦の収穫へと導いてくれた。3度目の正直なのだろうと、昨年に引き続く失敗を覚悟していただけに、いまだに信じられない感情が体に走る。スタートは昨年の10月8日。10アールの畑に、牛糞をトラック1杯入れ耕すところから始まった。PKセーブ422を35㎏追加。そして、11月8日播種。「銀河のちから」と「ゆきちから」の2種類の小麦の種をまく。
11月15日発芽。そして、昨日6月19日刈り入れ。その間、いろいろとお世話してきたが、農業者からもよく育っているとお褒めの言葉もいただいた。宇佐の農林水産試験場の方の指導もいただきながら、ここまでたどり着いた。いちばんありがたいのは、なんといっても、「ソノダハッピーファーム」の地主さん、園田さんの援助だ。言葉少ない園田さんは、私の麦への愛情も天候への心配も読みとっていったのだろう、昨日朝から収穫を始めた。「収穫を始めた!」という情報が入り、パン作りを従業員さんに頼んで、あわてて畑に直行。園田さんは、黙々とコンバインを動かしていた。
私は、麦刈りのために、バインダーという機械を買っていたが、バインダーの動かし方もよくわかっていないし、園田さんが以前より手伝ってくれそうなことを言っていたので、頼り切っていた。そのコンバインを初めて見たが、すごいと思った。速い!そして実のみを選別し袋に入れていく。バインダーだと穂の丈の部分も一緒で、収穫後「せんばこき」で実を落とさねばならない。作業が大変になる。コンバインは30分程度で、作業を終了させた。爺さん(園田さんのことをそういっている)は、無口だが、本当に親切だ。このコンバインは最近購入したものだが、いつも、ハッピーファームの隣の爺さんの畑のハウスにおいている。コメを作っているわけでもなく・・・。もしかすると、私の麦のために買っているのではないのか。そう思えてくる。それ以外に考えられない。よくわからない謎のコンバインだが、はっきりしていることは、園田の爺さんがいなかったら、刈り入れはできないということだ。ありがとうございます。爺さん。
爺さんは袋もちゃんと用意。こんな袋が5袋になった。一袋の重さは30キロはあった。収穫は約150キロか。爺さんは、ようとれたと褒めてくれた。パン小麦はいつ収穫するかのタイミングがむずかしい。3日前まで、実がまだ柔らかかった。ろうそくのロウぐらいの感じになるときが、タイミングだという。うまく、好天が続き、グングン固まってきた。そして、この日となった。天の味方!梅雨入りだというのに、まさに奇跡みたいだ。雨にあたると、熟した実が、発芽して、それによって成分が劣化する。「穂発芽」だ。ささらに、赤カビ病になるという。そのカビ毒は人体に悪い。赤カビ病にならないための、薬は散布しているが、それでも、病気になりやすいという。だから、この日の収穫は、本当に、ありがたい話だった。しかし、これですべてうまくいくというわけではない。次に問題となるのは、収穫後の実の乾燥。袋のまま一晩放置すると、蒸れてダメになる。だから、本来は乾燥機に入れなければならない。しかし爺さんの話では、この量だと乾燥機にいれて乾燥させることができないという。この2倍の収穫がないと、乾燥機がうまく動かないというのだ。だとすればどうすればいいのか。昔の人は、梅雨の晴れ間に、天日干ししたとのこと。ええっ、そんなことできるのか。これから一週間雨が続くのに。とにかく、すぐに乾燥させねばと、仕事そっちのけで(従業員さんのおかげ、そして、お客の少ない月曜日のおかげ、奇跡は続くみたいなかんじ)、昼前に天日干しスタート。何と良い天気なのか。暑い!
夕方まで、1時間おきに撹拌。中は少し湿った感じだ。そして、夜になる前に、家のガレージに移動。扇風機を一晩中かけておいた。
これが、今日の朝。しかし、昼前には曇って、さらに雨が降りそうな雰囲気だ。私はあわてて、コメリでイグサのござを買ってきた。そして、自宅のあまり使わない2階の部屋にござを敷き、ここで乾燥させることにした。1週間もすれば、多分乾燥するだろう。
あと製粉。これも、地元塚原の農業者の方から、庄内の製粉所を紹介していただくことになっている。何をするのも、いろんな方のお助けがなければ、前に進まない。
うまく、パン小麦が製粉できれば・・・夢が広がる。塚原の土と水と空気で育ったパン小麦を使って作る食パン。名前は「塚原高原食パン」だ。由布市では、パン小麦がつくられてない。岩手県産のしかも未来を拓く「銀河のちから」が収穫できるということになれば、ちょっとしたニュースだ。塚原高原が注目を集めるお助けにもなる。
日々の努力や創意工夫が豊かな暮らしにつながるような、そんな仕事をしていきたい。パン屋であることが喜びとなれるような、自信をもっておすすめできるような、そんな仕事であればなあと常々思っている。
そんな仕事への夢をいだいて、新たな始まりだ。

ソノダハッピーファームに育つオニパンのパン小麦たち。いよいよ今日刈り入れ予定です。多分大丈夫。地主のソノダさんにお願いして、コンバインで借り入れ予定です。明日から雨が降るとのこと。ありがたいことに、今まで雨が降らず、病気にもならず、実もしっかり育ってきました。夢が現実に。
彼は、14時間拘束の仕事の合間の休み時間にジムに行って体を鍛えているとのこと。以前見た時よりもムキムキになっていました。朝8時から夜10時まで仕事。途中2時間休憩。ジムに週2~3回1時間行くとのこと。以前は18時間労働だったので(それを10年ほどやっていた)今は楽だそうで。穏やかで、やさしい彼に、奥様(観光協会でお世話になった方)も幸せいっぱいみたいで。私もうるうるでした。
テレビ取材でのやり取りだけでなく、結構個人的にもお話しさせていただきました。京子さんはほんと好感度いいです!アスリートとして長年がんばってこられただけあり、話し方から気遣い含めとても謙虚な方でした。そして、純でかわいい感じ。料理が好きで、いろいろと工夫して研究熱心。芸能人ではないですね。お父さんのアニマルさんは、時々雄叫びを上げる怪人でした。200歳まで生きると方針を変えて、気持ちが落ち着いたそうです。70歳なので、あと人生わずかと考えるとさびしくなっていたそうです。京子さんは、周りの人のことも考えてと言ってました。そうですね、介護は誰がするんですかと私も尋ねました。ココバナーヌを食べた京子さん、お褒めの言葉をたくさんいただきました。フランス修業のスタッフが持ち帰ったレシピでこしらえた珍しいパンだと説明すると、「ウォー、フランス、フランス」と叫ぶアニマルさん。京子さんが世界選手権で優勝したのもフランス。お父さんは、京子さんが宝で誇りで・・・。本当に仲が良くて、尊敬しあう親子だと感じました。15回世界選手権出場の京子さん、オリンピック銅メダリスト。指導者として今でも頑張っているアニマルさん。話が続くと、普通の真面目な人に変わっていくようで、時々雄叫びを上げないと、アニマルキャラになれないんだなと思いました。あの雄叫びは、変身のスイッチなんでしょう。とにかく素敵な1時間でしたよ。放映は8月5日だそうです。案内役の田中さんは、TOSの「ゆーわくワイド」でいつも一番左に座っているかわいくてきれいな方です。この方が、また、とても気遣いの出来る素敵な人でした。一応宣伝しときます。
さて、オニパンをおいしく食べていただくために、今までの経験を元にして、プリントをつくりました。とてもいい出来だと自画自賛しています。作者は清家さん。デザイナーでもやっていけそう。翌日以降に食べる場合など、とても参考になる指南書です。
営業時間 11:00〜16:00
定休日 火・水
(※祝祭日は営業します)