しにたい気持ちが消えるまで

何気なく新聞を見ていると目に入ってきた記事。あれえ、豆塚さんや。最近はテレビ等にもよく出ている有名人。高校時代に自殺を図り、一命を取り留めたものの障害者となった。私が豆塚さんに出会ったのは10年以上前。友人の別府の紅茶屋「コージーコーナー」で、かわいい10代の彼女だった。詩を書いていると冊子を渡され、読んでくださいと言われたのが初めて出会い。それから何度かお話ししたが、最近「しにたい気持ちが消えるまで」という本を執筆。それを読んでみた。

すごい内容だった。私も子ども時代それなりに悩みを抱え、激動の思春期・青春時代は相当悩みもした。彼女の場合、比べものにならないほどに、苦悩し、飛び降り自殺を図る。そのときの気持ちや状況が痛いほど分かり、胸が苦しくなった。

そんな過去を抱えていたとは会った当初想像も付かなかった。壊れた家庭から自立し一人で生きている豆塚さん。障害がなくとも大したものだと思うが、彼女は障害を通して、より深く人や社会を見つめている。少女時代から30歳の現在まで、人として女性として障害者として多くのことを学び独り立ちしてきた。この赤裸々な著作を読んで、私は感想を豆塚さんに送った。書かずにはおれなかった。彼女の体験や思いが、現在苦しみ悩んでいる子どもや若者たちにどれほど励ましと生きる勇気を与えてくれるか。