或るお客様

本日土曜日、由布院駅に「或る列車」が初めて停車するというので、駅では大イベントが繰り広げられる計画です。私の方も、同じ時間帯に金鱗湖近くの「遊季舎」(ゆうきや)という雑貨店で第3回ゆうきやイベントに出店!ライブ演奏や小さな出店(オニパンとあともう一店)もあります。金鱗湖近くの方へも足を伸ばしてください。

さて、昨日の移動販売での出来事を紹介いたします。

一昨日より、オニパンに新しいスタッフが入り(井浦さん)、彼と一緒に移動販売に回っています。それなりの人生経験を積んだ頼もしい男性です。とにかく、パン屋になりたくて、オニパンの採用面接を受けたそうです。その情熱に押し切られ、一昨日より新従業員となりました。オニパンカフェではパンの製造業務だけではなく、販売接客のお仕事もこなさなければなりません。外の移動販売というお仕事も経験してもらったほうが良いと考え、全くの新米ではありますが移動販売に行ってもらうことにしました。

彼はパン屋のパートで働いていた母の嬉しい笑顔が忘れられなかったそうです。パンを買っておいしいって喜んでいただけるお客様の笑顔に、働くことの喜びを感じていた母。そんな記憶が、彼をパン職人、パンの販売員に向かわせたとのこと。確かに、工場で物作りをしていると、お客様の思いが伝わりにくいでしょうね。だから、移動販売はそれなりの体験になると思い連れて行きました。

まあそれにしても、移動販売はドラマの連続。以前よりInfoに移動販売のドラマを書いてきましたが、この二日間もドラマチック!

OBSについていざパンを売るために準備をしているとキャッシュボックスを忘れていたことに気づきます。あちゃ~、どうしよう!釣り銭がない!!

私の小銭をかき集めて販売を始めるもすぐ足りなくなる。するとOBSの女性が、受付にある小銭を持ってきて両替をしてくれるではありませんか。この人天使か。きれいな方でもあったし。またお客様の中にも自分の持っている100円玉を千円分出してくれたり・・・。あたたかな配慮に、浸りながらのパン販売でした。

さて一段落し、車で昼食をとり、出ようかなと思っている頃に、或るお客様がやってきました。

その方は塚原店にも来られたお客様で、OBSでの移動販売を知り、駆けつけてくれたのです(大分市在住)。そういえば、クレームレザンがお気に入りの方だとの記憶がよみがえり・・・。「たくさんクレームレザン買ってくれましたよね。」「そう、あれおいしくて。旦那と取り合いになるの。」「私はレーズンよりドライトマトが好きなの。レーズンの代わりにドライトマト入れたらおいしいパンになるんじゃないかしら・」「ねえ、それでつくるってできないのかなあ」「もしできたら、12個買うので」・・・・みたいなお話に。

考えてみれば、オニパンにはお客様依頼のメニューはいろいろとある。玄米生地、塩カリッとクッペ、白黒、甘夏のデニッシュ・・・・。ドライトマトがうまくいくかどうかはわからないが、やってみる価値はありそう。ということで依頼を受け付けました。

この距離感に、井浦さんもきっと驚いたことでしょう。オニパンのお客様との距離感はかなり近い!ちょっと近すぎるかな・・くらい。でも、それが楽しいし刺激であり創造性につながるから。

クレセントでアピールする「或るお客様」とひたむき(したむき)に販売する井浦さん。