パン屋の休日 運動 №104

私とママは、休日となれば「今回はどうしよう?」と必ず相談することがある。
それは、トレーニング。主に足腰の。
その方法はだいたい決まっている。登山か自転車、ジョギングそして最近ではスイミング。
季節や天候で選択は変わってくる。
雨の多い季節はなかなか運動ができないのだが、近ごろプールに行くことを覚えてから、毎週のように行き出した。

半年ほど前だったか、2~3回私も行ったのだが、あまり乗り気になれずやめてしまった。
ママと12の月の女将はセットのように、よくプールへ行っていた。ママが「運動になるから行こう!」と言うので、2~3回つきあったわけだ。しかし、水中ウォークを黙々と2時間近くやると、飽きて飽きて・・・。そんなことをするのだったら、ジョギングで汗をかき、自然の中を動く方が精神的にもいいと、一人でジョギングをやっていた。

ところが、最近、少し様子が変わってきた。それはなぜって・・・・私は泳ぎに挑戦しているからだ。
クロールが苦手で、以前は50メートル泳ぐとヒーヒー状態になる。息継ぎが下手で、体のあちこちにも力みが入って。苦しくて苦しくて。
近ごろ朝起きてベッドの中で泳ぎをイメージして息継ぎの練習をしてみた。すると、なんだかわかったような気がした。そしてコーちゃんの散歩の時も「イチ、ニイイ、サン、パッ!」っと息継ぎを10分以上続けて練習する。うんうん、なるほど、これでいけるのでは、みたいな気分になって来る。
プールに行ってそれを試してみたくなる。
イメージトレーニングっていう奴だ。久しぶりに行ってやってみると、なんと100m泳げた!!
こうして、雨の日は極力プールへ。今のところクロールで300m。クロールと平泳ぎを交互にすれば、500m以上続けて泳げるようになった。

今日はバタ足の練習をした。なかなか前に進まないものだ。100mくらいやると(続けては無理、25mでしんどくなる)足の指がつった!バタ足って本気ですると大変なのだ。
でも帰ってコーちゃんの散歩をした時、あれ~と異変に気がついた。それは足が妙に軽いことだ。
太ももや腰がいつもと違うのだ。あ~そうか、バタ足の成果なのか。あんなに足を動かすことは普通ないものなあ。水泳のすごさを実感した今日のプールだった。

こんな風に同じ運動をするにしても、目標や運動の方法を意識すると意欲が変わってくる。
それを実感しているのは、水泳だけではない。登山もそうだ。
最近「大分の百山」という本を買った。その本にはあまり有名ではない、しかし身近な山の紹介がある。例えば「内山」。
内山はほとんどの人が知らない山だが、塚原に住んでいる人にはなじみ深い山だ。なじみ深いと言っても、登ったりしてるわけではなく、きっと名前も知られていないだろう。しかし、伽藍岳に続く見事な形の稜線で由布岳の方に伸びているその尾根の形は見ようによっては「涅槃像」(仏様が寝ておられる姿)にも見える。塚原の人は、その形の美しさを毎日眺めている。

山の本に書かれてある紹介では、内山の斜面は結構きつく、転げるように下りるとのこと。そして底の部分を「船底」といい、そこから登る鞍ヶ戸(くらかど)は眺めがとても良い「大展望」と言う頂上に続くとのこと。そしてその鞍ヶ戸から40分ほどで鶴見岳の頂に達する。

  左の低い山が伽藍岳、写真中央が内山、
右の仏様の頭の部分が鞍ヶ戸岳

私の心に火がついた。塚原から眺めているだけだった内山や鞍ヶ戸岳は、登る対象として今強く燃え上がっている。所どころにあるロープをもってしても、下手をしたら滑るという難所。そして360度の大展望の鞍ヶ戸Ⅲ峰。制覇してみたい。見上げるのではなく、その上から塚原高原を見降ろしてみたい。そうすることで、次に見るときは違った山容に見えるのではないか。

パン屋の休日の運動も結構奥が深いなあと感じる今日この頃だ。