発想の転換 長年の懸案が・・・

パン屋にとって避けて通れない問題、と言うか一番肝心な問題、それは発酵過程のコントロール。発酵がうまくいくことで美味しいパンが出来るわけで、別の言い方をすれば発酵を管理・コントロールできなければパンは作れない。

発酵は温度と時間によって決められる(湿度も重要だが、ここではそれに触れない)。最近の(ここ数年の)の悩みは、発酵器(機・室)だった。作る量が増えて、生地を発酵させる場所がなくて困っていた。実はあったのだが、その発酵のための温度コントローラーが故障し使えなくなっていたというのが実態。

これが発酵室。もう10年以上になる。これはすごい発明だと自慢していた。発酵室は塚原の「工房古野」にお願いして作製。温度管理は・・・・

室内のエアコンにお願いしていた。以前のエアコンは、冷房、暖房設定だけでなく自動設定(一定の温度を超えると暖房、冷房どちらにもなる。自動車のオート設定などがそう)というのがついていて、温度も設定出来ていた。それが新式はそれがついていなくて(壊れやすいからだそうだが)、安上がりに出来ている。色々と試してみたが、このエアコンでは、温度管理が出来ないことがわかった。そうすると、この中に入れる生地の発酵に困る。大量に作る場合、どうしたものか。ここに入れる生地を最近は、パイルールームというデニッシュを作る小部屋において、その部屋についているエアコンでアバウトに生地を発酵させてきた。しかし、とてもアバウトで温度がしっかり安定していない。どうしたものか・・・・

こたつの中は結構安定の暖かさだ。このこたつのヒーターを使って試してみよう!

例の発酵室にこたつのヒーターを設置。そして試してみる。いちおう温度管理が出来るのではと思ったが、室内はどんどん暖かくなっていく!これもダメだ~!!どうしたもんじゃろの~(朝ドラ、「ととねえ」の口癖)

温度管理オンドカンリおんどかんり・・・、と私がぶつぶつ言っていたら、そばにいたママが「さー~もすたっと~??は~」と言ってくる。「私にしてはよく言えたなあ」とか言って。横文字が苦手なママ。

そうやなあ、サーモスタットとか売ってるんやろうなあ・・・ネットで調べてみる。あれ~ある、ある。そうかあ、これじゃ~!!その場で注文して、あとはどうなるか、試すしかない。とにかく溺れる者、藁をもつかむ状態なので。

オオ~ナンという優れものだあ!すごすぎる!温度設定してその温度を超えるとピシッと電気を切る。そして下がると電気がオン状態に。

昨日の午後に生地を入れて、今朝4時にはばっちしと発酵が出来ていた。22度で14時間(冷蔵生地の場合)という基本が、この温度コントローラーを使えばなんなくできるのだ。

エアコンはいらない!ほぼ9000円(こたつヒーターとサーモ)で温度管理OK。エアコンは10万円以上だった😭以前、パン屋を目指している東京の人が、オニパンの安上がり発酵器のことをネットで見つけて、電話をしてきた。その人がこのInfoを見てくれてたらいいなあと思いながら・・・私もまだまだ未熟。ママはすごい(動物的直感が)。

発想の転換、劇的に状況を変えるなあ。幅広い知識や柔らかい頭が大切だと思い知った。