好評!ぜんざいサービス

もう10年ほど、新年のぜんざいサービスを続けています。「新しい年を目出度い気分で迎え、今年もオニパンカフェをよろしくお願いします」みたいな気持ちで。

今年も恒例と言うことで、サービスをしました。けれど、お客様の反応が少し違います。私だけかと思ったら、ママが「今年はお客様がとても喜んだ!」と言います。この反応は何なのか、色々と思いあたるところを書いてみます。

4年前の別府店でのカット(今年の写真が無かった)

若い頃に読んだ「お菓子放浪記」という小説(児童文学)にとても感銘を受け、もしかすると潜在意識の中に(何かお菓子とかの職人になりたいなあ)との思いが沈み込んだのかも知れません(自分がパン職人になったのは)。それは戦争児童文学で、家族を亡くし、希望をたたれた戦争孤児の半生を描いたものでした。生きる希望も失いかけた時に脳裏にふと浮かぶ光景が親父かおばあちゃんだったかが作っていた餡子のお菓子。詳しいことを忘れてしまいましたが、舌だけはその味として、幸せを覚えていたのです。私は、人(の心や命を)を支えていくものは、体験した幸せな心地よさなのかなと思いました。だから、その主人公は、お菓子職人として生きるすべを見いだします。

辛いとき人は「甘い」ものを求め、心がふっと温かくなるのでしょう。今年のお客様の様子にそれを感じたのかも知れません。世知辛い世の中。苦労してもなかなか実を結ばない現実。意味も無く死んでいく(殺されていく)人々。一部の豊かさと、大半の貧しさ。

多くの無関心が世を覆う中、ちょっとした心遣いで、人は温かな気持ちになるのかな。ぜんざいサービスが、そんな役割をしてくれたのかも。