甘酒まつり 塚原

12月11日は塚原の甘酒まつりの日です。毎年決まった日程。ほぼこれは昔からそうだったらしく、それにはきっと深いわけがあるのでしょう。とにかく、塚原という部落は、歴史の重みがあり、独特の風習・慣例・文化が根付いてきました。これに立ち入ると、延々と書き続けなければならないので、甘酒祭りに関してのみ。

480年続いているとのこと。塚原にあるいくつかの班で甘酒造りが持ち回り、作られるそうです。その班でも、担当になる家を座前とか言うそうです。座前になった家は甘酒造り地域に振る舞う料理作りなど大変なそうで・・・。不正確な知識で書いてます。もっと勉強せねば書けませんが、とりあえずいろいろとあるのだと知っていただければ。別名「かかあ天下祭り」とも言うそうです。その日は、男衆が料理を作り、女性に振る舞うそうです。現在はやられていません。最近までやっていたとのこと。60代の人たちは知っています。

お宮の神殿で総代(5名)たちがお参りをします。霧嶌神社に集まる部落の人たちは、みなさんスーツ姿で、このお祭りに対する構えみたいなものが伝わってきます。

さて、神楽殿では女衆が甘酒の鍋を温めしゃもじでかき混ぜています。これを参拝衆に振る舞うわけです。

いただいた甘酒は、とても甘く、とろりとしていました。これが伝統の味か~!!

塚原の甘酒の作り方を以前(もう10年近く前かな)聞いたとき、目からうろこだった。普通甘酒の作り方は、炊いたご飯が冷める前、熱々のとき、麹を入れるのが常道。それは、麹に含まれる酵素がデンプンを糖化するわけだが、その酵素は80度までは活動できる。しかし、一般細菌はほぼ60度で死滅する。だから、雑菌を入れないようにして、熱々状態で瓶詰めにし、純粋な甘酒を作る。しかし、深みのある甘酒を作るためには、天然の酵母の活動も保障した方がよいのではと思う。

オニ酵母を作る際に大事な要素として気がついたことは、30度以上の高温にはしないということ。30度以上にすると、不思議に作っている酵母が酸っぱくなってくる。酸化するような感じで、酵母作りがうまくいかない。20度くらいにしておいた方がうまくいく。塚原の甘酒造りは、一週間かけて麹を寝かせる。しかも夏ではなく秋から冬にかけて。ムシロのような小屋を作って。この長時間発酵で、とても甘い甘酒が出来ると知って「なるほど」と思った。まさに天然酵母も含めて、お米を糖化させているのだ。低温で美味しくない雑菌の活動を抑えながら。

もっと美味しい甘酒造りを知っていきたい。それはパン作りにも役に立つはず。