霧嶌神社まつり 秋の大祭

感動の湯平子ども神楽でした。春の神事の際にも見たことはありました。しかし今回は演目や鑑賞場所の違いもあったのでしょうか。演技の上達もあったのでしょうか。本当に、驚きました。

塚原小学校体育館への入り口。もうここから雰囲気が漂っています。

私としても初めての秋のお祭りへの参加。祭りと言っても、神楽の鑑賞がメイン。神輿も担ぎ手がなくて、神社から公民館へ軽トラ神輿で移動するだけ。

2台の神輿が飾られていました。さて体育館に移動します。入り口でお飲み物の接待。私はビールをいただきました。ママが運転しますので。

子ども神楽と聞くとかわいさで勝負するまがい物のイメージを抱きます。確かにかわいらしい側面もあります。しかし、踊りは高いレベルでそのステップや手や体の振りの切れはこちらもつい引き込まれてしまいます。お囃子がそれを加速させます。私は終始体が動いていました。

踊りの見事さにとどまらずすごいと感じたこと、それは演技力、演出力というのかな。最後まで、子どもがすべて演じているとは信じ切れず、数名の大人も助けているのだと思っていました。そう思えたのは、おじいさんおばあさん役の人物の背中が曲がったような姿勢、おろちに生け贄にされそうな若い女性の色っぽい踊り、場内を笑いに沸かせるピエロ役の踊り子、そのすべての役柄の踊り手たちの演技力は大人そのものだったからです。お面をかぶっていると本当にそのものに見えるから不思議。

第2の演目大蛇退治。大蛇も立派!そのお囃子演奏は圧巻!!ストーリィ展開に応じた演奏の絶妙なテクニック!実は私は若い頃、プロの演舞集団の研究生で、同じ演目のお手伝いをしたことがありました。「出雲の大蛇退治」。その時のお囃子もよく憶えています。しかし、この湯平神楽の大蛇の立派さやお囃子の絶妙さは、大阪のプロ「若駒」をはるかに凌いでいました。

これだけの演技、踊りが出来るのは、単に練習を積み重ねたからではないと思います。最近よく見ているのが、阿波踊りの多くのチーム。YouTubeやフェイスブックでしばしば見かけます。その踊り子一人一人がみんな上手なことに驚かされます。中には下手な人がいても良いのではと探しても、みんな上手なのです。不思議です。似たような踊り(阿波踊りだから当たり前か)をしている人たちをよくよく見ていると、足運び、足さばきに共通な動き!これはすごいなあ、と思いました。微妙で柔らかで。このステップを確実に身につけていることで、誰もが素敵に踊れているのかあ。手の動きにも共通なものが。

幼稚園か小学校一、二年生くらいの子が素敵に舞う神楽の踊りに同じような足裏、指先、の柔軟な足さばきを発見しました。そして太鼓のリズムに合わせて腰の動き。本当に微妙なその動きがしっかり正確に刻まれます。このリズムと動き、足さばき・足運びは昔からのその地域での伝統を受け継ぎ発展させてきたものの遺産なのだなあ。長年の神楽伝承にさらに変化や工夫を入れながら、高いレベルの文化芸術に発展してきたのだろう。踊る側もその奥の深さや心地よさに魅せられ、子ども神楽として今後も受け継がれていくのだろうと感じた。楽しさや魅力があるから人が集まるのだと思う。

色々考えさせられた夜になりました。神楽が終了して舞台で挨拶した役者たちは、みなさん子どもだった。上は中学生くらいまでの。大蛇は高校生くらいから若者風。感動しました。初めて見たという近所の人も同様でした。