暑~い夏でも、ベーコン作りに休みはない

オニパンを支えるレアな具材。その中でも筆頭に数えられるのがベーコン。「オニパンの自家製ベーコンはおいしいね!」との声をよく聞く。その声を聞くたびに、ベーコン作りはなおざりには出来ない!と肝に銘じる。

しかし、自家製ベーコンを作り始めて10年くらい経つが、いろいろと分かってきたことがある。ベーコン作りと言えばスモークに集約されるような感あり。どんなチップを使うか(チップの材質で味や香りが変わる)とか、温度、時間とか。私はアバウト人間で、だいたいこのぐらいかな、みたいな感じでやることが多い。そして回数を重ねたりする中で試行錯誤し、レシピが完成みたいな。チップや温度帯、時間はあまり気にしてはいない。

やっている中でこれは大事だなと思ったことがある。それは、「風干」だ。パン屋をやっていると発酵に関して敏感になる。その延長線で、ベーコン作りにおいても、「風干」という発酵作業が味や風味に大きく作用していることに気づいた。魚の一夜干しなどが良い例だ。生肉を置いておくと言うことは、微生物の作用で発酵を促すということだ。温度帯によっては「腐敗」する。風干は、風があることで腐りにくくする。微生物は、湿度が大好物。湿度がないところでは活動しない。梅雨のジメジメは至る所にカビを作る。腐敗まで行かせず、ちょうど良い発酵活動を行うためには乾いた表面と腐らない温度が重要。

冬場はベーコン作りがとてもやりやすい。しかし夏場は、30度以上の場で風もなしとくれば、一晩で生臭~い匂いを発し出す。だから、今までは業務用扇風機と冷蔵庫を繰り返しての風干作業。それでも、生臭くなってくる。そして今回夏でも出来る場所作りに取り組んだ(前置きが長~い)。

ココは冷蔵小屋。エアコンが設置。ココを使わない手はないと以前より思っていた。しかし、エアコンの能力が低いのと、ここに設置されている急速凍結庫がすごい熱を出す。そして室内が30度以上になる。ココで風干をするのであれば、急速凍結庫の熱をどうにかしなければならない。

以前にもInfoで紹介したが大型換気扇を作り外へ熱を放出という作戦を実行したのだが失敗(穴を開けただけだったが)。そこで、熱源の近くの壁を取っ払うことにした。

塚原に来たときからお世話になっているスーパー富さんにお手伝いを依頼。

完成!そして、上の壁には届いた業務用換気扇を設置。この換気扇はすごくて、すごい風が起きる。これで、多分冷蔵小屋は20度台の室内になるだろう。

40センチ近くの羽をもつ。網は手作り。おいしいベーコン作りにはこんな努力が隠されているんです。