本日のパンたち

パン屋らしく本日のパンの状況を報告。

私が近頃気に入ってるアイテムは、アップルシナモンです。一時期(今でも)デニッシュ系で一番完成度が高いと思っていたのが「りんパイ」でした。確かにりんパイはおいしい!多分誰が食べてもおいしい!はず。アップルシナモンはそれに比べ、形も変な感じで(プロペラみたい)・・・。しかし最近久々に試食して、なんと!と思ったのです。りんごのコンポートとカスタードクリームの相性は絶妙だと思った次第。りんパイの場合は、ダマンドとりんごのコンポートです。それを長時間焼成してパイにします。味が凝縮され食感もかなり軽めに。

アップルシナモンは、焼きも短く、マイルドなカスタードの味とりんごの生っぽい旨みがとても美味しく感じます。りんごは最初から乗せているのではなくて、一度焼いたデニッシュ生地を冷まし、後からりんごを乗せます。そしてもう一度全体を2~3分焼きます。焼きりんごからヒントを得て考えた作り方なのです。生のりんごコンポートを乗せるのと、焼いたりんごのコンポートでは旨みが違ってきます。そんな手間暇を経て作られている「アップルシナモン」なのです。

清家さんの作業を見ていて、手際よさに感心します。素早いのですが、しっかりりんごの大きさを見極めバランス良くデニッシュ生地の上に並べてゆきます。並べると言うより飾られて行くといった方が正確か。この状態で再度釜に入れます。さらに焼き上がったものを冷まして、表面にナパージュ(杏子のジャムを緩めたもの)を塗ります。結構大変な過程をへて生まれるアップルシナモンなのです。

さて、新作の「芋りんパイ」の窯入れ前の様子。

こんな感じで芋(安納芋をスウィートポテトにしたもの)とりんごのコンポートを中に入れた生地を焼いてゆきます。これも高温で10数分焼きます。奥に見えるのがりんパイです。これは180度で20分くらいかけてパイにします。

さらに、近頃人気のバゲットの本日の焼き上がりは・・・・

とても良い感じで焼き上がっています。最近はバゲットの作り方が安定してきて、ほぼ失敗はありませんね。こんなバゲットが出来るまでに10年以上かかりました。