研修生 畑中君

1月終わりのころから毎週2回(金・土)オニパンで研修している畑中君。気が付けばもう8か月近くになる。木曜日の夜9時過ぎに来て、オニパンのログに泊まる。翌日朝4時半から仕事。ほとんど休憩なしで(30分くらいはある)4時まで働く。てきぱきと仕事をする。よく気が付く。声がでかい。お客さんが来ると見えないところからでも「いらっしゃいませ~」と元気な声。仕事が丁寧。う~ん、私とかなり違う。

人それぞれ個性がある。だから、私は私。良いところはできる限り真似しよう。そうするしかない。ほぼ、基本的なところはマスターできた。しかし、パン屋の仕事はそう簡単ではない。発酵や細かな部分、オーブンの焼きなどを習得しようとすれば多分3年はかかる。仕込みも難しい。

最近彼は新しステージでの研修に挑戦してもらっている。それは窯。2次発酵(ホイロ)終了の見極めとオーブンでの焼き方。人間に例えれば成人式をあげ大人として旅立つ作業。パン作りは子育てと同じだと思っている。仕込みからそれぞれの段階でのフォローがある。生地の状況に応じて、環境を整えてあげる作業。人と同じように、それぞれの生地には個性があり、それに応じてサポートし環境を考えてあげる。人もパンも同じ。どんな子にしようかと大人側から指示命令することより、大切なことは、心地よく伸び伸びと育つ環境を用意すること。それによってしかおいしい生地(発酵)には育たない。そのために必要なことは、しっかり観察すること。ちょっとした変化を見逃さないこと。それを繰り返すことで、その子が何を求めているか次第にわかってくる。

このバゲットは彼が生地を仕込み(昨日)、分割し(今日)、成型して、2次発酵後、クープを入れ、スリップピールを使ってオーブンに入れ、窯出ししたバゲットです。以前も同じような写真を載せましたが、あの時は私が大半の作業をしたバゲット。これは彼がひとりで完成させたバゲット。記念すべきバゲット!

フランスパンは繊細なのでとても難しパンです。おいしそうにできましたね。