たかがクープ、されどクープ。パン屋にとってフランスパンのクープほど気をもむものはないといっても言い過ぎではないかもしれません。実際、わたしのあこがれは、フランスパンのクープでした。パン屋への修行をはじめはフランスに行こうと決めていました。しかし、ママや知り合いがやめとけって言い、今は日本の方がおいしいパンを作っているなどと、いろいろとアドバイスをいただき・・・。現実的な東京修行ということで、あこ庵(あこ酵母の製造元のパン屋)で修業をしました。一番難しいと言われるパンがフランスパンで、きれいなクープができるかどうかで、パン職人としての資質が問われるとまことに信じ切っていました。
- この間、いろいろと技術も進歩し、きれいなクープのフランスパンを作ることができるようになりました。しかし、見事というまでには至っていません。そこに、現れたのが、昨日のYさんでした。その方もパン屋。というか、まだ修行中のパン屋さんみたいな(失礼)。しかし、その研究熱心さには感服している私。病気の身でありながら、その熱意は相変わらずで、クープ談義をしました。Yさんが師事している東京の先生のフランスパンの写真を見せてもらって、唸りました。そして、いろいろと細かい点も教えてもらいました。Yさんが熱弁をふるって話す中身の一部だけを、これは使えそうということで、今朝早速試してみました。すると、どうでしょう、見事なクープが!私の人生でもっとも見事なフランスパンのクープが誕生!
- この方法で、ミニのフランスパンもやってみると、やはりしっかりとクープが開きました。
- Yさん、ありがとうございます。今は、クープがすべてだとは思っていません。たかがクープだと思えるようになりました。しかし、クープがきれいにできてないと、胸を張ってパン屋だとは言えない自分でもあります。されどクープですね。
営業時間 10:30〜16:00
定休日 火・水・木(※木は予約販売受取のみ)
(※祝祭日は営業します)