寒~い12月のある日、突然工房の暖房が途絶えた。後でわかったのだが、その原因は温水ヒーター(お湯を送ってその熱源をファンで飛ばすという方式)のポンプが動かなくなったとのこと。工房はどんどん冷えてくるし、そうなるとパンの製造にも影響が出てくる。慌ててプロパンのガスファンヒーターを持ってきて暖を取った。そのヒーターもプロパンガスが残りわずかだったので、翌日には使えなくなった。温水ヒーターのポンプは翌日に修理対応してもらえたので、何とか難を乗り切ることができた。
こんな突発事故の後、正月明けのお店開きの時、またしても不都合に直面。それは、ぜんざいの振る舞いの時、ロケットストーブで鍋を温めたものの、あまり上手にできなかった。ロケットストーブは、気分屋なのか、熱く燃えたり意気消沈したり・・・・。
この二つの体験からさらに浮かんできた不安、それはもし災害などでライフラインが途切れたらどうしたものかということ。暖を取ったり、お湯を沸かしたりできるストーブがあれば・・・。思いついたら行動の早い私、我慢できない性分。早速ホームセンターへ。しかし、今時の石油ストーブは、ファンヒーターみたいな感じで、上に鍋など置いて煮炊きするようなタイプがない。火鉢みたいな煮炊き用はあったが、「煮炊き専用」なんて書いてあって、暖は取りにくいようだ。
そこで次の行動。得意のリサイクルショップめぐり。二つ回ったがない。そして、最近。大分の大きなリサイクルショップで見つけましたよ。それも、なんと、以前家で使っていたことがある同じタイプの石油ストーブ。多分多くの家庭で使用していた普及品。錆びて汚いものだった。「オッチャンいくらかね。」「2000円じゃ。」(おっ、安い)と思ったが、そこで出たセリフはいつものごとく「もちょっとまからんかい」 オッチャン「う~1500円」 私「じゃあ買うわ」。 1500円払ったが、オッチャンは「芯が古いで、替えにゃあつかんよ。」 「どこに芯があるんかい」 「ホームセンターとかうっちょるんじゃあないかい。」
そこでホームセンターに行って聞くと、タイプが古いので芯は取り寄せとのこと。付け替えるためにストーブを送って芯を付け替えてまた送り戻すとのこと。(うっひえー、それって、すごくお金がかかりそう) 「もういいですわ」と断ってホームセンターを出た。
それからオニパン別府店の近くの有名な雑貨・金物屋に行って聞いてみた。社長曰く、「以前は、芯の交換ができる専門職員がいたんやけど、その人がやめたので、今はできんなあ。」だって。 なんかえらい大変なストーブを買ったのかなあ。 憂鬱になった。
それから2週間ほど錆びた汚いストーブは放置。ヤフオクで、中古ストーブを探すと、多少値段は高いが使えそうなものが出ていた。これを買えばよかったかなあと後悔。でも、ストーブ買ったしなあ。もったいないなあ。 自分で芯交換出来たらなあ。 あきらめかけた替え芯のことを思い出し、ネットで調べてみた。す、すると、芯交換は素人でもできるとの情報あり! できるんや、自分でできるんや! なんや、何で気づかんかったんや。
それからは、早かった。替え芯を探し出し、新品を注文。今から30年近く前のものだが、「トヨトミ」は、在庫がある。えらいねえ、立派な会社だ。送料込みで1800円くらい。
長い前書きでした。トヨトミRCA-26のお披露目です。「おっ、これかあ」と仰る読者様もいることでしょうね。昔よく見かけましたね。耐震消化装置付き!すげーって思ったことを憶えています。そして自動点火装置も!正面右側のコックを左にスライドさせると、真ん中の燃焼ロケットみたいな所が左に首をかしげてその隙間に見える芯に赤くなったコイルがくっつき、火が付く。すごいのですが、全部故障してました。ストーブをすべて分解しオーバーホール。錆もとり、点火できるようにしました。耐震装置も復活。決して難しくはなかった。点火装置も豆電球の回路の知識があれば直せるほどのもの。分解掃除で構造が良くわかりましたね。アナログはいい。永久に使える。
どうですきれいな火でしょう。全くの新品状態。
このストーブの良いところは、上で煮炊きができること。しばらくするとやかんの水は沸騰しました。火加減も上手で、保温状態にもできます。
暖の質はというと・・・リーちゃんがやってきて、くつろぎました。猫は正直。心地よい暖かさなのでしょう。1時間に一回換気は必要ですが。12月から続いたストーブ騒動はこんな形で決着です。あきらめんで良かったわあ。
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