ブログが途絶えて、早一か月。ちょちょっと気楽に書ければいいのだが、状況が許さない。ネタがないのではない。ありすぎる。しかも、中身の濃いネタがありすぎるのだ。
今回の話題、その発祥は、遥か10年前、大阪の地に由来する。
パン作りに取り組む中年のおっさんであった私は、パン生地をいかに上手に、安く、しかもたくさんの量、発酵させることができないものかと思案していた。
天然酵母の元種を使って、パン生地を発酵させるのには、結構な時間を要する。オニパンカフェの現在の製造工程では22度で約13時間。パン屋にはドーコンという便利な発酵器があるので、苦労はない。
しかし、一般家庭でパンを作ろうと思えば、まず一番頭を悩ませるのは、発酵の管理だ。
1次発酵は、番重に生地を入れて発酵させるため、湿度はさほど気にかけなくてもよい。
要するに温度を一定に出来ればそう難しいことではないのだ。
2次発酵(オーブンに入れる前の最終発酵のこと)は、天板に成形した生地を生でのせるために、乾燥は最大の敵であり、高い湿度が求められる。この2次発酵は湿度管理ができる発酵器が必要となるため、簡単とは言えないものがある。
10年前の私は、1次発酵を簡単にできる方法はないかと考えていたわけだ。
夏の暑いとき、天井の方を見ていると、ふと目に留まったものがあった。
そう、エアコン。 これだあ~!
エアコンは温度を一定にすることができる。これを使って、1次発酵できないかと思案した。
結果、初代自家製発酵器を作ることになる。
方法はこうした。
エアコンの周りに、コンパネでコンパクトな部屋を作り、普段は扉を開いておき、1次発酵行の場合は、発酵室として使用する。
この方法で、パン作りは、飛躍的に楽になった。
最近、作るパンの量が増えている。一台のドーコンでの1次発酵が厳しくなってきた。
新しくドーコンを買うには、工房のスペースもなく・・・・、さらには資金も必要となる。
ドーコンは高い!いいお値段!!新車が一台買えるのだ。
ならばあの大阪時代の発酵器を作ろうか。きっとあれならうまくいくはずだ。
発案より半年。塚原の工房古野さんにお願いして、自家製発酵器を設計した。
古野さんとのコラボで5月、ついに完成。
連休明けより、実用に入っている。
その姿を見てください。
「2代目自家製発酵器オニパンオリジナル号」
制作中の発酵器。壁の中は厚さ100ミリの断熱材を仕込んでいます。
製作者古野さんにはオニパン開店以来
いろいろとお世話になってきました。
完成した発酵器の巨大さ、重量には、私もビビりまくりでした。古野さんの工房からオニパンカフェまでどうやって運ぶのか・・・。
とにかく大変で、怖かったなあ。
これ、トラックからどうやって降ろすの。
荷台にあげるときには、フォークリフトでできたけど。
近所の人に応援を依頼して、男4人で何とか降ろせました。
後ろにエアコンを取り付けました。
発酵器の室内は、全面分厚い断熱材に取り囲まれているので、少しの過熱で一定の温度を維持できます。
氷河期が来たら、中に避難し、人肌のぬくもりだけでも、暖をとることができそうです。
設置場所は、車庫。
中の様子。たくさんの生地を入れることができます。
てなことで、これからはたくさんのパンの注文にも大丈夫!!
でも、問題は働き手。
私一人では無理、無理、ぜったいむり~。(NHK,「あまちゃん」の小泉今日子の演技が印象的で、つい思い出してしまいました)
次々回で、働き手(ニュースタッフ)の話題を提供します。お楽しみに。
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