一次発酵(フロアタイム)の大切さ

今日は少しパンのお話。天然酵母を使ってパンを作る場合イーストとの大きな違いとして発酵にかかる時間がある。イーストの場合発酵力が強いので1時間程度で一次発酵は終了する。天然酵母は発酵力が弱く温度帯にもよるが、オニパンの場合20度で12時間くらいか。その時々の酵母の状態の違いもありイーストのようにきっちり予定通りとはなりにくい面がある。酵母にも元気の良い酵母とか弱っちい酵母とか個性がある。

例えば14時に食パンの生地を仕込んだとする。翌朝4時にその生地を分割する場合14時間の一次発酵タイムとなる。その14時間でできあがる状態にするために温める機械設備(ドーコンディショナー)の温度を何度に設定すれば良いか。一度違いで過発酵になったり未熟であったり・・・。厨房に入る早朝はちょっとヒヤヒヤした気分になるときも多い。過発酵だったらどうしようとか・・・。

昨日の場合発酵時間が足りず若い状態だった。パン屋は大量のパンを開店時刻までに作らねばならない。出来てなければ何もせず待つ・・・それは出来ない。そんな場合どうするか。生地を高い温度帯のところにおいて発酵を進める。それでも時間に限度がある。成形の作業に入らないとパンを焼けない。なにせ開店時間があるから。間に合わなくなる。

一次発酵をしっかりとってないと、パンが大きくならない。パン職人からするととても辛い。小さなままで社会に旅立たせることになる。未熟なパンたち。ふわっと美味しい生地にならない。できる限りの手当をしてパンを焼くわけだが、それでも辛い。

さて、もう時間切れ。移動販売の時間が迫ってきた。ここで打ち切る。この発酵の話しをすれば話しは延々と続く。これはほんとちょっとの一コマでしかない。発酵は奥が深いのだ。

画像がないとつまんないので、二つほど載せておくね。本日作りかけのカレーと本日できあがったベーコン。ベーコンは燻製した後冷蔵庫で一日寝かせる。そして冷凍。

美味しそうなカレー。実際とてもおいしい。このままご飯にかけたら最高。カレーパンの場合、さらに煮詰め水分を飛ばす。そして、冷蔵庫へ。そして必要な量を朝とりだし、さらにガラムマサラを入れて小鍋で煮る。香り高いスパイスカレーとしてパン生地に詰めている。

現在ベーコンは一度に豚バラブロック(一枚6キロくらい)を2枚使っている。スモークが強く効いている。