APU(立命館アジア太平洋大学)での販売

以前パンの販売ができないものかと、APUに申し入れに行ったことがありました。その時は断られたのですが、そのご縁があってか、とつぜんAPUの方から「パン販売のお誘い」がやってきました。話では、今まで販売してきたパン屋さんがお店を閉めたとのこと。
近ごろのお店の忙しさから考え、ちょっと迷いもあったのですが、お店がお休みの木曜日に販売に行くことにしました。
大学の関係者から、1300人が暮らしているAPハウスの入り口で販売をお願いしますと言われました。APハウスには日本人を含め、様々な国々の学生さんが暮らしています。たくさん売れると言われたので、たくさんのパンを持って10月よりスタートしました。
販売には中国のジャスティン君がお手伝いしてくれることに。(前のパン屋さんの時も学生アルバイトの方を雇っていたようです)
初めてのことで、私とママはどぎまぎしていたわけですが、ジャスティン君はAPハウスのお世話役をしているような人で、かつ好青年でもあり、通りがかりの学生さんが「ジャスティン何しているの?」と寄ってきます。「パン屋さんのお手伝い。一つどうですか?」と対応。こんな感じで、何とかパンの販売が進みました。
予想と違って、パンの販売は思うようには行きませんでした。APUに来ている国際学生の方々は、決して豊かな暮らしをしている人ばかりではありません。オニパンの味も知らない、パンの値段もちょっと高い、ってなことで、買うのを躊躇する学生さんが多数。買っていくパンの傾向としては、大きくて安いもの、あるいは食事にできる食パンなど。その日はたくさんのパンが売れ残りました。
やはり現在の経済事情はAPUとて例外ではないと痛感しました。超円高で授業料や生活費は大変。話に聞くとAPハウスの家賃は一カ月3万8千円。それで、2年生からは数名で同じマンションを借りてルームシェアをする学生がほとんどのようです。その方がはるかに安くつきます。
初日の販売にママはショックを受けたようで、疲れが残る1日となりました。でも私は、若い人たちの初々しい笑顔やエネルギーに結構刺激も受け、ジャスティンのさわやかさもなかなかいいなと、半々な気分で帰途につきました。
ここですたれてはと、ママと相談して、APハウス用にパンを研究。安めのパン、大きめのパンも用意。特にAPハウス用の食パンをたくさん作りました。お店よりも2割安い食パン。これだったら売れるぞと2回目に挑戦。
私は仕込みもあり、ママだけが行ったのですが、予想通り食パンは一気に売れたそうで、中でも嬉しかったのは、前回買った学生さんが「アンデニッシュありませんか。」とか「ピーナッツクリームありませんか。」と、また買いに来てくれたとのこと。気長く続けて、オニパンの味を知っていただくことが大切だと、ママと話し合いました。