新・ユメ食パン 新品種ハルミズキ

昨日の続き。昨年までのユメ食パンとの違いといえば・・・それは全く別物という話。昨年まで作っていた小麦は「銀河のちから」という超強力小麦。何度も何度もInfoや折々帳で書きましたが、日本のパン小麦の弱点を打開するために開発された品種といっても過言ではありません。日本のパン小麦は外麦(がいばく)と比べグルテンの量や質においてパンに向いていないとされてきました。うどん等には向いているのでしょうが。中力粉が主。そこで開発された一番手は「ユメチカラ」。そして二番手として開発されたのが「銀河のちから」。

オニパンの自家製小麦は昨年まで「銀河のちから」でしたが、今年は「ハルミズキ」という新品種を栽培。その小麦は今年初めて市場に出向くものです。現在九州の主力は「ミナミノカオリ」というパン小麦。ハルミズキはその性質、素質を引き継ぎさらに向上しているというデータがでています。その最先端の小麦をパンにしたわけです。ちょっと不出来な面(雨に当たりすぎてて)が心配されつつ、しかし期待もあるわけで。

前置きはさておき、焼き上がったパンのすだちは・・・おお、いいじゃないですか!

こんな生地の表面を見ると、食べなくてもその品質の良さがわかります。きめ細かく、しっとりとした、そしてそれなりに釜伸びをしていて柔らかそう。

食べてみました。おいしい!味もしっかりとし、うまみもある。昨年までのユメ食と比べると、今年の方がおいしい!

ハルミズキはどちらかといえば中力粉に近い強力粉。オニパンでは、国産小麦でパンを作る場合、超強力粉(例えばユメチカラや銀河のちから)を50パーセントミックスしてミキシングします。そうすることで、外麦に負けない大きさに焼き上がる。小さいとしっとり感やふんわり感に乏しくなる。私がパン技術研究所で学んだことの中に、おいしいと感じる要素として・・・・

味が2割食感が8割。

人によって違いはあるとしても、食感という要素はとても大切です。トコロテン、かるかん、綿菓子、あげればきりがないほどありますよね。

天然酵母のパンは固くてズッシリが定番。なんて、そこに甘えてたり、依拠していたりすると、多くの方に受け入れていただけなくなります。私はそういう意味で、こうするべきとか、こうなのだ、とかいう縛りを離れ、今までにない方法をいつも求め続けたいと思っています。

こちらは、ハルミズキとユメチカラをミックスした食パン。ハルミズキ100パーセントのものと比べるとより大きくしっとりとしています。

期待してくださいね。この新品種の小麦が九州を凌駕する日はきっと遠くはないでしょう。