パン屋の夏休み

7月27日から夏休みが始まった。一応六日間。月曜日は大阪から来た元同僚たちと話したり、塚原のプチ観光に同行した。大阪の昔や今の話はいつも心を懐かしくしてくれる。30年余、働き暮らしてきた大阪。大阪の友人と会うたびに故郷の人と会うような錯覚を味わう。さて、パン屋の夏休み。二日目、三日目は大工仕事。工房を使い勝手良くするために改造。自分のお城であるパン工房。細かいところまで自分なりの工夫を施している。仕事をやりやすくするための工夫はとても楽しい。一度アイデア大賞にでも応募してみたいくらい。仕事や生活する上で不便なものに出会ったら、私は立ち止まって「何とかならないかな」と考える。そしてそのことを頭の引き出しに入れておく。不思議と改善策を思いつく。前にパン作りの日記に同じようなことを書いたね。ほんと、考え工夫することは楽しい。四日目は、以前より行きたいと思っていた佐伯の方面へ出かけた。お客様で蒲江の方がいらっしゃる。魚がうまいとのこと、一度は行ってみたかった。そもそも私は大分県人。なのにほとんど大分のことを知らない。高校までは家と学校の往復みたいな生活。高校を出て、高知の大学へ。就職一年目は香川県坂出市。そして大阪での生活。だから大分のことは知らない。こんなに山や自然が美しく、食べ物が豊かでおいしかったこと。塚原で生活し、初めて知ったという情けなさ。それでパン屋の夏休み四日目は海へ。東九州自動車道は宮河内までしか行ったことがなかった。その先佐伯まで今は伸びている。なぜ宮崎方面へ道路がなかったのか走ってみてわかった。佐伯方面は山と渓谷がせめぎあい、道路は橋とトンネルばかり。これは大変な工事なのだと予想できた。食事は河内湾にある「清水マリン」という民宿を兼ねた料理宿。活きの良さが売り物のところだけあって、岩ガキなど注文すると、海に浮いている筏のイケスまで走って行って、カキをとってくる。出された料理はとても新鮮でおいしかった。青春を感じた私は琉球丼セットなど注文しほかにも魚を頼んだ。うまい!ビールも飲んだ。女房はマリン定食。これもたくさんの量があった。たらふく食べて、磯の涼しい風を肌に感じながらひと時の休憩。宿を後にして、次に蒲江に向かった。好奇心をそそるような景観だった。複雑に入り組んだ湾に沿って、一通りのお店、役場、銀行、病院など揃っている。魚や寿司屋などもたくさんある。塚原よりはるかに都会だった。道の駅でオニパンのお手伝いさんへのお土産を買った。そして次に三重町の方へ。ここもまだ行ったことがない所だ。そのころより、どうも私の胃の調子が芳しくない。青春を感じて食したお魚さんたちが、まだ胃袋の中でごわごわとしている。車はガタごとと揺れっぱなし。その振動が長く続くほどに胃袋がかなりへたってくる。三重町は想像を超えて、都会だった。そして次は竹田市の長湯温泉をめざす。長湯温泉は何度か来ているので、「ほていの湯」へ。時刻はすでに7時ごろ。胃の調子は最悪だった。女房も珍しく夕食を食べようとは言わずそのまま、山の中を通って一路塚原へ。9時半ごろたどり着き、そのまま胃薬を飲んでゴーツーベッドでした。

手前のテーブルが私の食べた昼食。大きめのドンブリが琉球丼。奥のテーブルがマリン定食。女房の方が量が多いようだ。でも全く胃袋は問題なかったのはなぜだろう。

岸の方から筏が海へ伸びている。このイケスに魚たちが泳いでいる。奥の方に小さく見えているのがお食事処「清水マリン」