発酵バター

もう2年半程前か、湯布院の「ベーカリー山中」さんのマスターが亡くなられたのは。山中さんとは「ゆ~パ連」で知り合った。湯布院パン屋さん連合のこと。湯布院のパン屋さんが一堂に会して、交流親睦を深めようとした会。現在は空中分解的な感じ。これもまたいつか復活するといいのだが。その会で知りあった山中さんは、なんと60を過ぎてパン屋へ修行。そして子どもに喜んでもらえるクロワッサンを作るのが夢だった。彼の店に行きパンを食す。そして彼もオニパンにやってきてパンを食した。2回目に来たとき、自分が膵臓がんのステージ4だと告白した。同席していた奥様は動揺することもなく凜々しく寡黙に座っていた。

パンの経験は短かった彼だが、その思いはとても大きく強く、こだわりがあった。そのこだわりはバターだった。クロワッサンを発酵バターで焼いていた。さらにカルピスバターを使ったクロワッサンも焼いていた。それが、私の脳裏によみがえってきて。そのきっかけは・・・

このクッキー!時々豪華なものを贈ってくるお客様から届いた。

見た目はどうってことないクッキーなのだが、発酵バター25%(粉に対して)使用。サクッとした食感とともに、甘くうっとりとした香りの発酵バターが口に広がる。幸福感に満たされてくる。

これか~山中さん!きっと同じ感覚を味わったのだろうなあ。こんなクロワッサンを作りたかったのだなあ~。

私は、そこまでわかっていない、バターのこと。これからもっと勉強しよう。

とりあえず、発酵バターのクロワッサンを試作してみることにした。明日より!