オリーブオイルについて

どんなものでも「ピンからキリ」があるという。私はパン業界で働いているから、パンに関しては「確かに」と思える。その世界を深く知るほどに、本物と偽物あるいは真似もの、さらには贋作?みたいなものがあるのだろう。

オリーブオイルは体にいいと聞いて、開店当初から数年間食パンを作る際に、バターの代わりにオリーブオイルを使っていた。オリーブオイルでもとくにエキストラバージン・オリーブオイルが上等ということで生協から購入したものを使用。値段もそこそこに安いので。現在は使っていない。それはオリーブオイルを入れて出来た食パンに違和感のある刺激的な味を少し感じたので。あまり美味しいと思えなかった。それ以来、やはり体に良いと言われている「太白ごま油」を使っている。これは問題なく味もいい。

エキストラバージンオリーブオイルというのは、添加物を混ぜずにそのものを絞っていると言うことだ。最近その情報は誤っているという記事を目にした。なるほど、ピンキリなのだな。安いというのはそれなりの事情があるのかも。

オニパンでは玄米フルートという地味なアイテムを作っている。その玄米フルートは「太白ごま油」につけるととても美味しくなるとアドバイスして販売している。オリーブオイルに浸けて食べるとは言わないようにしてきた。それは、生協のオリーブオイルにつけて食べたことが何度かあるからだ。はるかに太白ごま油(塩も少し入れる)の方がうまい!経験的に分かっている。

前段が長くなってきた。オリーブオイルでも本物は違う!と言うことを最近知った。お客さまにオリーブオイルを現地と直接取引で仕入れているお店の方がいる。その人の紹介で手にしたオリーブオイルは全く別物だった。

玄米フルートやバゲット、食パンにも浸けて食した。うま~!!!いのである。春の野草のようなアクを感じる。フキノトウやタラを感じる。若干の苦み、そしてフルーティな香り・・・。最初はすこしアレっ?よく分からん?みたいな味だったのに、しばらくすると、おいしさが分かってきた。焼いた玄米フルートや玄米食パン、バゲットなどに試してみた。ほんとおいしい!後を引くうまさなのだ。もっともっと食べたくなる。250ミリリットルで2500円くらい。私としては高い商品だが、もっと高く売っていても納得する。

この商品「レティツィア」にはちゃんと説明書が付いていた。イタリアのシチリア島で農園経営をするジョルジョさんが手摘みでオリーブを摘み、収穫・搾油までの作業を12時間以内に行っているとのこと。この商品の名前「レティツィア」はジョルジョさんの一人娘の名前だそうな。いいですねえ、愛情を感じます。それくらい大事に作っていることがわかるよねえ。

大きな工場で大量生産されるものとこのような手作りのものの違いはパン同様歴然と違うことが私にもうなずける。オリーブオイル好きな方からすれば、何を今頃言ってるのと笑われそうだが、笑わないでね、やっと今分かったんだから。時にはこんな楽しみ方も大切ですよね。私は2本目だけれど、きっとこれからも、オリーブオイルにこだわりそうです。