パンク修理

日曜日。営業開始よりお客様が多数来店。ありがたきことです。そんな中、山ちゃん(サイクリスト)が家族とともにご来店。8月のパン教室では、奥様と娘さんが参加してくれました。数あるお客様の中で、特にInfoの話題に取り上げることを不思議に思われるかも知れませんね。彼が、大変、ユニークで面白い人であると言うことはあるのだけれど。

彼の努力、生き方が、半端ないので、私は書いてしまうのです。

オニパンのInfoや折々帳を読んでいる方は、時折り現れるこの型破りな人に、親近感やあるときは嫌悪感を抱くのでは。彼に付き合いきれない個性とエネルギーを感じていた私でありましたが、今はほんと惚れ込んでいます。

6~7年ほど前か、ローソンの店長から職替えして、土木関係の仕事を始めた山ちゃん。友だちのサイクリスト柳井さんの会社で働き出す。家族をおいて、沖縄で働く。えらいなあ~と思った。そして、ときどき大分に戻ってきてオニパンへ寄る。異常に顔が痩せ、大丈夫なのかなと感じた。それからしばらくして、癌になっていることがわかる。ステージ4だと。

以前よりお腹の出っ張りが気になってはいたが、それが癌だった。何度も手術を繰り返す。そのたびに復活。しかし癌は転移を続ける。人一倍、筋肉質。普通じゃない。癌を患いながら、サイクルトレーニングは続ける。別府代表の県体選手として一昨年でる。苦しいトレーニングを続けて代表として役割を果たした。

ちゃらんぽらんのように見える山ちゃん。とても家族思い。自分が亡くなる前に、なんとか経済的な土台をつくらねばと、ワークマンプラスの経営を試みる。それは最終選考まで残ったが、残念ながら失敗。そこであきらめず、自分で会社を興す。山栄工業。社長だ。解体の仕事。現場を見に行ったこともある。ハードな仕事だ。しかし、会社はうまくいっていて、かなり儲かっているそうだ。しかし、抗がん剤を打ちながら、打てば全く仕事が出来ない週が出てくる。それでも、仕事をしていないと心が持たないともらしていた。

今日来たのは、抗がん剤治療の4日目。3日は何も食べられないそうで、今日はオニパンが食べれると嬉しそうにパンをかじっていた。

しんどいと言いながら、筋肉は相変わらずだ。本人はいつも「これが最後かな」と言いながら。

この間、バイクがパンクしていて、自転車に乗れない日が続いていた。エコーラインの散歩とかで、体力維持。山ちゃんに、どこの自転車屋に持って行けば良いかな、と尋ねた。すると、「なんや、それやったら、オレが直しちゃる。」

おもろい顔してやと言った。

この程度じゃあ、かっての山ちゃんまで行かんな。