夏休み 久々の夫婦旅。楽しかったと今になって思うこの頃。

振り返ってみると、折々帳は8か月前が前回。「書くことは考えること」とは有名な言葉だが、infoでのちょろ書きくらいしか書くことがなかった8か月、だとすればなるほどとうなずける事例が私の上に起きている。近頃よくママに言われる。あなた近頃おかしい!そう言われればそうなのかもしれない。じっくりと物事を考えてないのかもしれないなあ。ちょっと私的なことだが、反省しながら、この夏の夫婦旅を紹介しよう。

我が家には犬さんと猫さん、合わせて3匹いる。お世話があるので、旅は交代でしかできない。一人旅はそれなりにいいものだ。しかし、長年いつも二人で旅してきた我が身からすると、ちょっと寂しい面もある。それで、今回の夏休み、ご近所の方にお願いして、犬猫のお世話をしていただいた。

一番行きたかった大崩山。調べるほどに、二人には無理な山だと感じられた。ここ最近、とみに体力に自信をなくしつつある。特にママは、岩場は危険だと思う。もしものことがあれば、オニパンも終わり。今回はあきらめ(というか、一生あきらめ)、一泊でも行けそうな、見知らぬ地への旅を検討した。数年前私が一人旅した島根県の三瓶山(さんべさん)は、いい山だった。島根県まで旅できたのだから、広島県あたりは問題なく行けそう。それで、広島の一番高い山を探すと「恐羅漢山」(おそらかんざん)だとわかった。ちょっと気になる名前だとは思ったが、そこは無視。近くに三段峡という名勝もあり、そこに宿をとることにした。

 蒸し暑い日だった。8月18日(日)。「おそらさん」(地元の方はそう言っている)は、スキー場として一時期はそうとうなお客様がきていたようだ。後になってわかったが、私たちは一番きつい直登コースで頂上を目指したようだ。あの扇山みたいな感じもしないではなかった。扇山のほうがキツかったが。一時間半ほどで頂上にたどり着く。

 これは途中の分かれ道。

 頂上はこんな感じ。眺望は今一つ。

 自撮りの一枚。暑くて、汗びっしょり。でも、広島県の一番高い所を征服したので、ちょっと嬉しかったな。

おそらさんでは、夏場はキャンプや張られたケーブルを滑車でスーパーマンのように飛ぶスポーツが盛んにやられていた。子どもたちは目を輝かして遊んでいた。

さて、名勝三段峡の入り口に位置する三段峡ホテルへ直行。朝7時半に塚原を出発して5時間ほどのドライブ後山登り、そして5時ごろ宿に到着。

 ホテルは古そう。しかし玄関に「歓迎ひうら様」の札が。嬉しいものですねえ、ビップ気分になります。若いころ和歌山の竜神温泉の宿に行った時だったか「歓迎 大阪日浦様」と札に書かれていたのは。あの時以来のことだなあ。 3軒のお泊り様なんだ。ホテルは、結構古そう。後で主人と話して知ったが、築60年くらい。その前にも旅館はあり、現オーナーは3代目。5歳年上の70歳。なんと、恐羅漢山スキー場を立ち上げたのは、そのオーナーだった。若いころの苦労話など聞かせていただいた。活気のあったころの話をする主人の目は輝き、こちらまでワクワクと高揚する気分になった。しかし現在は、三段峡ホテルもかなり傷んでいて、大きな構えからして、掃除や維持も大変だろうなと思った。従業員さんもあまりいず、夫婦でやりくりしているようだ。

 お部屋の一コマ。トイレもない部屋でした。しかし、いい雰囲気!お風呂に行って、夕ご飯。

 おいしかったですね。地元のものを使った、手作りの料理。こういうのが私たちの口にはあっている。一品一品がおいしい!食べ過ぎて、持って行ってた胃薬を飲んで就寝。

いいことばかりの旅になる予定。しかし、気にはなっていた恐羅漢山という名前。山好きの友人が「え~あの山に登ったのか~」と教えてくれたことが。

それは、蛇がとても多い山として有名なんだそうで。

 下山までにこいつに20匹あったという話もあり。こいつって、もち、マムシ。マムシに限らず蛇がたくさんいるようで。私たちの上ったルートはゴルフ場急登コースで幸い蛇の少ないコースだったみたい。しかしそれで終わらなかった・・・。

一日目登山後宿でお風呂へ。気持ちいかった~。そしてお楽しみは、マッサージチェア!割と上等だ。心地よくもまれていると、なぜか足の指がちくちく。そのうちだんだん痛く。なんで~!!見ると、アブがおいしそうに私の親指を噛み、血を吸っているでは!ばかな~!! その日はそれで終わり幸い大したことはなかった。翌日、楽しみにしていた三段峡巡り。

  三段峡は結構長い見学ルートだ。全部はよう見れないので、一番近くの見どころを歩く。溪谷にず~っと歩道が続いている。とにかく蒸し暑く、汗だらだら。湿っぽい所なのか、苔もたくさん生えていた。私は昨日噛まれた足指が痛くて、歩くのがつらい。せっかく来たのだから我慢して歩いていた。折り返して地点の近くで、右足の弁慶の泣き所に刺すような痛みが走った!いてえ~ええっと!今度はなんじゃ!見ると、1mくらいの蛇が逃げよる。この野郎、待てえ~。正体つかまんとマムシじゃと嫌だもんね。マムシじゃなさそう。帰って、ホテルの主人が心配して毒吸いの器具で一応処置をしてくださった。

 黄色の注射器みたいなものがそう。とんだこんだで、時間がたち、そろそろ帰る時間に。あまりに暑いので、ホテルの前にあるかき氷を食べることに。

 こんな張り紙が。ちょっと食欲をそそりますね。そして、ホテルの主人さんが50年前のかき氷機を使ってつくってくれました。

  ママは宇治、私はイチゴ。は~、うまあ~!!! 暑い夏はこれにかぎるわあ~!そこで、ママが何気にこんなことをおっしゃった!「うちもかき氷したらいいわね。」

ママが提案するのはあまりないのだが、言うときはなかなか鋭いことが多い。それだあと思った。私も以前からそんなことをぼんやりと思ってはいたが、パン屋がかき氷なんてなあ、それとただでさえコーヒーを作ったりするのも大変なのに、かき氷まで始めたら、ママが怒るだろうし・・・。ところがだ、そのママが口にしたのだ。千載一遇のチャンスとはこのことか。

「オニパンかき氷は、自家製手作りがモットーです。リンゴやイチゴ、アンズなどのシロップ液を使い、塚原の湧水を固く凍らせた氷を削って作ります。一切の添加物や着色料もない、天然のおいしいかき氷~!塚原高原の生んだおいしいかき氷~はいかが~♪」

少し痛い目にあった夫婦の旅ではありましたが、結果としては、なかなか楽しい旅だったねえ。アブや蛇、蒸し暑い三段峡の苦難ありて、新しい発見もあり。

さて、来年はどこへ行こうかな。