創めの第一歩 塚原パン小麦研究所№151

「園田しあわせ農園」での歴史的な第一歩が踏み出されました。

書き出しがちょっと格調高すぎか。
しかし、もしかすれば、そうかも、と思っている私。

しあわせ農園でパン小麦を栽培するために、準備を重ねてきたわけです。
九州産の「みなみのかおり」という品種は、この塚原には向いていないと「農業試験場」の
方にアドバイスされ、それでは何を栽培すればと探し求めたわけです。
その結果が、結構重大な未来を内包しているのではと、
今感じている私なのです。

どうも、塚原の気候は、岩手県の南部ほどの気候に近いのでは。
だとすれば、岩手県の「ゆきちから」ではどうなのか。
以前、「ゆきちから」で食パンをつくったことがあるが、まあまあの味だった。
そこで、「岩手県農産物改良種種苗センター」に問い合わせ、相談。
そこの方が親身に相談に乗ってくださり、2種類の種を送っていただく。

「ゆきちから」は、岩手県のパン小麦の主力品種。
では「銀河のちから」は、どういった品種なのか。

話は変わるが、オニパンでは「ユメチカラ」という粉を玄米生地で使っている。
これは、日本のパン小麦の歴史を大きく塗り替える新しい品種として登場したもの。
外麦(ガイバク)の持つ強いグルテンや硬質な麦質が大きくふわっとしたパン作りに欠かせないもので、内麦(ナイバク)は、どうしても小さく固くなりがちだった。味的にも今一つ。
「ユメチカラ」は、この国産小麦の常識を打ち破る「超強力小麦」。
その力が強すぎて、強いゴム風船が膨らまないように、その力を緩め伸展性のある他の小麦と半々に混ぜることで、外麦に負けないふっくらとした大きなパンをつくることができるというわけだ。(折々帳№94「国産小麦考」と合わせて読むといいです)

ユメチカラは、現在、市場でも大きく販売を伸ばしている。私が目をつけ購入した4年ほど前には、全く市場にも出回っていなく、値段も普通の小麦の3倍以上だった。

「銀河のちから」は、北海道産のユメチカラに対抗して、未来を切り開く新品種の期待を担って生み出された。ユメチカラとは、違う成分要素で、超強力ではあるが、うまくいくかどうかは使い方にもかかっているとのこと。
例えば米粉などと混ぜるとか、ミキシング時間や水分量をどうするかなどで、大きく変わってくる。まだまだ不透明な未来図。銀河の宇宙のような、未解明な世界。
しかし、製パン特性を調べた実験結果では、すでにパンとしての味や質は高く評価されている。
だから、取り扱い方次第で、もっと可能性が出てくるという意味。


おいしく安全なパンづくり。その前提として、小麦栽培がある。
その一端として、パン小麦の栽培をも試してみたくて、「塚原パン小麦研究所」を立ち上げます。

トラクターの扱いもままならない、この私が、やったことのない小麦づくり(過去2回あるが)
をするわけで、実る前に「鹿に食べられちゃった!」みたいなことになるかも。
「塚原パン小麦研究所」の看板を出そうかなんて、まだまだ先のことになるかもね。

しかし、「蒔かぬ種は生えぬ」。
足を一歩踏み出すことで、すでに「夢は現実」になっている。
質はともかく、実践こそが大切。
今年はだめでも、来年は数センチ先へ進める。

聞くところによると、由布市で小麦をつくっている農家はいないとのこと。
塚原で岩手のパン小麦ができれば、どなたかパン小麦を作る農家が現れるかも。
そうなれば、地産地消、身土不二。

そんないろんな夢を抱えての第一歩。
腰痛との戦いでもある。
オニパントピックスの栽培記録も合わせてご注目を。