新しい家族

久々の更新。ネタがたまりすぎて、困っています。何から書いていいのやら。

実は、我が家に新しい家族が来て5カ月が過ぎています。今ではしっかり家族の一員となり、自信を持って紹介できる時が来たようです。

その家族の名前は、「リー」。地域猫の子。
この子の前にももらってきた子がいたのですが、段ボールを開けた途端に、押し込められていた恐怖からか、一瞬で逃げて行ったことがあったのです。
だから、この子がやってきた11月から、(どこかへ逃げ出さないか)と恐る恐るの子育てを続けてきました。
リーの出身は、湯布院の卵屋さんの畑あたり。卵屋さんの畑に住んでいる地域猫の集団の中からつまみ上げた一匹。卵屋さんのオッチャンが「この子は、よう人によって来て、いい猫や。メスやけん、おとなしいし。」と言って私に渡してくれました。

やせ細って、よわっちそうな、猫。声もほとんどでない。家に連れて帰っても、椅子の上でじっとしていて、2~3日ほとんど動かない。ご飯もほとんど食べない。段ボール箱からすごい勢いで逃げ出したあの猫とは対極の存在みたい。大丈夫なのかな、死なないかな…心配な日々が続きました。

か細いけれど、美人。白い毛並みがいい。目はブルー。名前は、はかない美人のイメージで「リリイ」(百合)と命名。

元気がない日が続くので、動物病院で見てもらうことにしました。
先生は、まあ大丈夫でしょうと言われ、さらにこう続けました。
「この子はオスですよ。」

「ええ~!!」

帰って、ママと相談。名前を考え直そう。
「う~ん、そうだ、リーがいい!」
リーはいい名前です。オニパンで以前働いていた「リー君」ともかぶるし。

リーは、動物病院でもらった薬を飲みながら、徐々に元気に。

こうして、早五カ月が過ぎました。
リーは今、とても元気な男の子に育っています。

猫好きな人と犬好きな人がいます。私はどちらかというと、犬派。この23年間ワンちゃんと過ごして来たからでしょう。犬は優しい。
でもリーと過ごすうちに、猫好きな人の気持ちも多少わかるようになっています。猫は、面白い。本能で生きているんですよね。自分が生きるために、多少人に従うふりはするものの、全ては自分のために行動している。猫に関わる言葉から、猫は決して人にとって良い印象を与えて来なかったことがわかります。「猫なで声」「猫かぶり」「猫に小判」等々。
猫の運動能力の高さに、驚きと憧れを持ちます。さすが、ネズミを捕まえるだけあるなと思います。お年頃もあるのでしょうが、現在は、家の中で大暴れをしています。

我が家の夜は大変な騒ぎとなります。それは、コリー犬の「コーちゃん」が、寝るために家の中に入ってくるからです。はじめは対面させないように、リーを別の部屋に入れてコーちゃんを家に上げていました。ひと月ほどして、二人とも家族なのだから、共生できなければと思い、対面させることに。
コーちゃんが噛まないかなと心配したのですが、それはあり得ないことでした。コーちゃんは、ほんと優しい。黙って尻尾を振ってリーとご対面。一方リーは、身の危険を感じてか、小さい体を1.5倍くらいにして、毛を逆立てます。
そんな日が何日かたって、慣れてくると、リーはちょっかいを出すようになりました。
でっかいコーちゃんに対して、「猫パンチ」を出すのです。まあ、本気ではないのですが、遊びたいのでしょう。
その猫パンチを見て、怒るのはコーちゃんではなく、ママ。「こら、コーちゃんになんてことをするの!」本気で怒ってます。パチンとリーを叩きます。
コーちゃんは戸惑って、猫パンチをうまくよけるのですが、怒ることもしません。
ゲージに入ったコーちゃんを柵の隙間から手を入れて、コーちゃんに猫パンチをします。
なんていやらしい!根性悪!またママが怒っています。

根性悪のリーは、勘違いをするようになりました。あのでっかい犬さえも自分に逆らわない。自分は結構強いのだと。コーチャンへの嫌がらせは毎晩続きます。コーちゃんにあげたパンを横から奪い、食べることもせず、サッカーボールのように足でけりまくって遊びます。

ところが、ある日、家の外に出て遊んでいるところへ、大きな地域猫がやってきたのです。リーは、縁の下でその猫へ「ウ~」と警戒の声を出しています。私は大きな猫を追い払いました。それで事が済んだと思っていたら、その猫はまたやってきていて、リーとひと格闘したようです。
リーは、左前脚をかまれ、血を垂らしていました。それから2日ほど、元気をなくし静かにしていました。前足が異常に腫れ、動物病院でレントゲンを。
それから一週間ほどして、怪我が治ってから、再度喧嘩。今回は、地域猫が家の中まで入ってきたようで、家の中が荒らされ、床に血やうんこがこびりついていました。私たちはリーが相当ひどくやられて、どこかで死んでいないかと、ママと二人で懐中電灯を照らし真っ暗な外を探しました。「リ~、どこや~」「リ~おいで~」どこからも反応ががありません。
家に帰って途方に暮れていると、あれ!なんと、目の前の椅子の上に黙ってうずくまっているリーが。私たちが大騒ぎしているのに、リーは落ち込んで椅子の上でじっとしていたのです。
大きな猫との戦いはとても恐怖だったと思います。体にうんこを付け、怪我もし。翌日はお風呂で体を洗いました。
それからというもの、コーちゃんが家に入ってきても猫パンチをしなくなりました。自分のことが多少わかってきたからだと思います。それと、外に出る時も、絶えず危険の少ない場所を選んでいるようです。たとえば、コーちゃんのハウスの屋根の上にいたりとか。

それでも、誇り高いのか、気が強いのか、喧嘩は弱いのに3回目の喧嘩をしました。3回目はうんこもう少しだけで、怪我も少なかったです。喧嘩の仕方や逃げ方も上手になっているのかも。

いつもこんな状態で、のんびりしているリーちゃん。

リーちゃんの長所は人を信頼しているところ。
人を見ると、近づいて行って甘えます。
オニパンに来るお客さんにも絶えず寄っていきます。それで、近頃は人気者に。
看板猫として、子どもや猫好きな方と遊んでいます。
昼間はそんな形で、結構、仕事に精を出す日々です。
バイト料は出していませんが。

左の写真は、二日前、リーを気に入った写真家がボタン桜の下で写してくれたもの。
なかなかいい男になってきました。