我が家のぼたん桜(№97)

連休はやはり、大変だった。一年で一番お客様の多い時なのだ。昨年は確か10日で一日しか休まない日々が続いた。私はこれをフルマラソンにたとえて、(今日でハーフ地点まで来たな)とか(ここから35キロ地点、地獄だが、粘れ~!)とか自分に言い聞かせて乗り切ったことを覚えている。
今年は、ちょうど5月2日、3日が火曜日・水曜日とお休みの日に当たっている。ありがたい!
この年になると、体のことが気がかりになってくる。情けないが、人生とはこんなものなのだろう。
連休はお客様がたくさん来ていただいて、大変ではあるが、とても嬉しい。久しぶりに会えた旧友のような感覚でお話しできるお客様も増えてきたからだ。
半年ぶりや一年ぶりに会うご家族。子どもがグンと大きくなっている。相変わらず楽しくやさしそうなお父さんやお母さんの顔を見て話ができること、何かウルウル来るよな感じで、あ~これも年なんだろうなあ。

山口のTご夫妻が突然やって来た。たいがい、連絡があって、パンのお取り置きなどをたのんで来られるので、ちょっと不意打ちを食らった感が。
お調子乗りの私は、連休前にできた「オニパン第二駐車場」を見せたくて、Tご夫妻を案内した。
広い駐車場をほめてくれたのは束の間、話題は一転してそこに咲いていたボタンザクラの花になった。「すご~い。きれ~い。私こんな立派な桜みたことないわ~!」
ええっ!私の方もびっくり。「そ、そうなんすか!」
言われて見れば、確かに立派。きれい!でもそんなに、立派なのかなあ。
この土地を買って十数年。あまりしげしげと見たこともないボタンザクラ。でも、ここ1~2年、見事に育っていたんだろう。パンばっかり見ていて、こんなにきれいな桜の花に気づく余裕もなかったんだろう。お~いけねえ、いけねえ。
塚原で自然の美しさやスローな時間を楽しみに移住してきた私たち。ちょっと、視野が狭くなってきていた。

塚原は風の里。見事な桜の花びらが、風で絨毯のように地面に敷き詰められる。

大もりの花びらだが、一つ一つの花びらの繊細なピンクは、なめらかで淡く、清々しい。