出会い

うちにお手伝いに来てくれているケイちゃんが「マスター、人の出会いって大切っすよね」と言っていた。私も同感。お店をやっているといろんな人との関わりからそう思うことも多いが、最近あったことをちょっと紹介しておきます。大阪時代にかかわった若い知り合いが大分で働いている。3か月前にフラッとオニパンカフェに現れました。彼女は大学を出て、立派な企業で働いているものの、ノルマに追われ営業成績の追求オンリーで心身ともに疲れているようでした。子どもの頃から頑張り屋で、大学も働きながら卒業し、すべてにおいて自活しようと、その心意気にはすごみさえ感じていました。私はそんな彼女のことが気にかかって、何とか連絡を取ろうと試みましたが、うまく連絡が取れずに3か月が過ぎていました。ゆったりとした自然に抱かれ、この塚原でちょっと一晩でもゆっくりしたらと考えていました。そんな折、彼女はまたフラッと現れました。今回は、同年齢の優しそうな男子をつれて。表情も明るい。3人でお話をしていると、二人はその業界の売上競争について、かなりまいっているようで「だましてまで・・・」と本音を吐露していました。人が生きていくことはつらいく厳しい。私は、大変だと感じながら、「人間らしさを守っていくために、染まらないで・・・」ということがせいぜい。彼女は突然私に向かい、「前の仕事と今のパン屋くらべてどうですか?」と聞かれました。「前の仕事は悩みも多かったけど、感動も大きかった、とても意味のある仕事だった!」と答えると、彼女は「私、今から、それを目指そうと思います」としっかり言い切るわけです。彼女は24歳。まだまだこれから。自分の人生を真摯に切り開こうとしている姿に、私は胸が熱くなりました。(写真はシナモンカレンズ(おっぱいのように盛り上がっているときはおいしさの証明。下はフルーツデニッシュ。フィリングにちょっとこだわっています。本文と写真は関係ありませんから。)